金沢市立病院長 高田 重男
金沢市立病院は、明治33年3月の「金沢市伝染病隔離所の設置」に始まる、開設以来110年を経過する伝統ある病院です。 市立病院の基本理念は、「市民の生命と健康を守るため、地域のニーズを反映し市民に信頼される質の高い病院をめざす」です。真の意味で地域住民の方々、患者さんを中心とした新しいタイプの地域連携型病院(地域住民の生活の場としての病院)を目指しております。
病院の規模は、一般病床280床、結核病床25床、感染症病床6床の計311床で、診療科は18診療科あります。一時休診していた小児科は平成19年10月から、産科は平成20年4月から再開しました。
当院では、平成19年から病院経営改善への取り組みを行っております。その目的は「住民の方や患者さんへ提供する保健・医療の質をいかに向上させるか」であり、そのために必要となる「経営の効率化」を行うものです。現在、病院職員一丸で取り組んでおり、9年間続いた経常収支の赤字も、平成19、20年度と黒字に改善しております。平成20年度末に行った外部評価でも、病院経営改善に一定の評価をいただいております。
現在行っている病院経営改善の取り組みをご紹介いたします。
1)地域住民の生活の場としての病院
自治体病院は、地域住民のための病院であり、市立病院は地域を支える病院、地域の人に支えられる病院を目指しています。住民の方々の生活の場、地域の生活の場となるため、「小学校、”かかりつけ医”及び公民館などへの出前講座」、「金沢美術工芸大学との共同研究として『ホスピタリティー・アート プロジェクト』」などを行っています。それらの取り組みに対して、市民の方々の御意見や新たな企画を賜われれば幸いであると考えております。
2)地域連携病院としての機能強化
地域連携病院としての機能を強化するため、入院センター、退院支援室及び福祉相談室を地域連携室に統合し、専任者の配置や担当職員の増加を行うなど、地域連携室の拡充を行いました。現在、医師1名、看護師2名、事務7名が所属しております。また、タッチパネル方式の登録医紹介システムを導入し、来院者の皆様が気軽にお近くの”かかりつけ医”を探せる環境を整えました。
3)急性期病院としての機能強化とセンターの設置
当院は、急性期病院であり、年間を通して内科系、外科系医師各1名の当直体制を取り、24時間、急性期患者の受け入れを積極的に行っております。「救急の患者さんを断らない」が当院のモットーです。
その他、診療科横断的に総合的疾患管理を行うためセンター化を進めております。現在、「メタボリックシンドロームセンター」、「呼吸器センター」を設置しています。センター化により、医師間の連携及び医療スタッフ間の連携が円滑に行われ総合的な診療が可能となります。
メタボリックシンドロームセンターでは、糖尿病・循環器・腎臓・呼吸器の専門医師、看護師、管理栄養士、薬剤師等が連携し診療に当たっています。診断、治療、生活習慣の改善等の総合的な診療を行っています。
呼吸器センターでは、呼吸器専門医に糖尿病・循環器の医師が参加し、肺がん、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群等の幅広い呼吸器疾患に対応しています。
今後、脳神経外科医と神経内科医の連携による脳センターと、消化器内科と消化器外科の連携による消化器センターの設置を予定しております。
4)急性期病院としての機能強化とセンターの設置
先進医療、チーム医療の充実を病院の中心的課題としております。新しい診断・治療法を導入すると共に、医師のみならず、看護師、管理栄養士、薬剤師等の医療スタッフがチームを組み医療を行うことを目指しています。具体的な取り組みとしまして、現在、管理栄養士及び看護師等による「メタボリック症候群支援外来」、助産師による「助産師外来」を行っています。
5)医療スタッフの教育
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