氷室(ひむろ)とは、天然の雪氷を夏まで貯蔵しておくため特別に装置した場所です。藩政時代から明治時代にかけて売られていた、天然氷を熊笹の葉で三角に包んだ「白山氷」は庶民にも人気があり、夏の暑い日によく売れたそうです。
旧暦6月1日は前田家が江戸の将軍家へこの白山氷を献上していた日です。120里(約480km)の距離を昼夜4日間かけて飛脚が運ぶ氷の無事を祈り、神社に天然氷を使って作った饅頭を供えました。現在では旧暦6月1日にあたる7月1日、金沢の人々は氷室饅頭を食べ家族の健康を喜び合います。
湯涌(ゆわく)に復元された氷室では毎年1月最終日曜日に雪を詰める「氷室の仕込み」、6月30日に「氷室開き」を行っています。