食品衛生法による営業許可申請を行うときには、26項目の水質検査を行い、「飲用適」であることを証明する水質検査成績書(1年以内)の提出が必要です。
水質検査の検査項目 | |
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一般細菌 | |
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《基準》 | 100/ミリリットル以下 |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、排水等による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 経口感染症等消化器系病原菌による疾病など汚染の指標となり得る |
《対策等》 | 煮沸消毒、塩素滅菌装置の取付け |
大腸菌群 | |
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《基準》 | 検出されないこと |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、排水等による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 経口感染症等消化器系病原菌による疾病など汚染の指標となり得る |
《対策等》 | 煮沸消毒、塩素滅菌装置の取付け |
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | |
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《基準》 | 10mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響と流出した肥料成分、し尿、下水等による汚染が過去においてはなはだしかったことを示す |
《身体に対する影響等》 | 乳児(六ヶ月未満)が高濃度の水を摂取するとメトヘモグロビン血症をおこし、呼吸作用を阻害する |
《対策等》 | 水源の転換、飲料用以外で使用 |
鉄 | |
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《基準》 | 0.3mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響と、配管等の腐食、工場排水の混入による汚染の疑いをしめす |
《身体に対する影響等》 | 衛生上の有毒性よりも洗濯のとき衣類を赤くする、お茶の味を悪くする、という観点から基準値を定めている |
《対策等》 | 除鉄装置の取付け、浄水器の取付け |
塩素イオン | |
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《基準》 | 200mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 海水の浸入、し尿、下水、排水等の混入を疑わせる。自然水にもいくらか含まれ地域差がある。特に多量に含まれる場合あるいは急激に増加する場合は汚染の指標となる |
《身体に対する影響等》 | 塩味を感じる値から基準値が設定されているが、水中の濃度より食生活を含めた全摂取量が問題となる |
《対策等》 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | |
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《基準》 | 300mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響と海水、工場排水、下水等の混入の疑いを示す。水道ではモルタルライニング管やコンクリート構造物、あるいは水の石灰処理によって増加することもある |
《身体に対する影響等》 | 高濃度で胃腸障害を起こす場合もある。硬度の高い水は石けんの泡立ちが悪く、日常生活に影響が大きい。ボイラー水に不適。適度の硬度(10〜100mg/l)の水は飲料水として美味である |
《対策等》 |
PH値 | |
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《基準》 | 5.8~8.6 |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、工場排水等の混入の疑いを示す。地下水(深井戸)は低い(酸性)ことが多い |
《身体に対する影響等》 | 水の中性、アルカリ性、酸性を示す。飲料水としては中性(pH値7)付近にあることが望ましい。酸性の水は水道施設を腐食する |
《対策等》 |
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) | |
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《基準》 | 10mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、工場排水等有機物質を多量に含む水の混入、もしくは汚染プランクトン類の繁殖の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 汚染された水ほど高い値になる。水質を判断する上で重要な指標 |
《対策等》 | 浄水器によるろ過 |
味 | |
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《基準》 | 異常でないこと |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、工場排水、薬品の混入、地質の影響を示す |
《身体に対する影響等》 | 異常な味は飲料水として適さない。また汚染の指標となり得る |
《対策等》 | 原因の追求、除去。浄水器の取付け、ろ過器の取付け |
臭気 | |
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《基準》 | 異常でないこと |
《主な不適の原因》 | し尿、下水、工場排水、微生物の繁殖、薬品の混入、地質の影響を示す |
《身体に対する影響等》 | 異常な臭気は飲料水として適さない。また汚染の指標となり得る |
《対策等》 | 原因の追求、除去。浄水器の取付け、ろ過器の取付け |
色度 | |
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《基準》 | 5度以下 |
《主な不適の原因》 | 下水、汚水の混入や鉄、マンガン、微生物の繁殖影響を示す |
《身体に対する影響等》 | 清澄な水は無色透明 |
《対策等》 | 浄水器によるろ過 |
濁度 | |
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《基準》 | 2度以下 |
《主な不適の原因》 | 下水、汚水、土砂、薬品等の混入や管内塗装亜鉛メッキの溶出、浄水給配水施設の欠陥の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 清澄な水は無色透明 |
《対策等》 | 浄水器によるろ過 |
カドミウム | |
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《基準》 | 0.01mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 腎臓障害。連続的に摂取するとイタイイタイ病等の原因 |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
水銀 | |
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《基準》 | 0.0005mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 工場排水等の流入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 口腔障害、言語障害、神経症害、腎臓障害を起こす。 |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
鉛 | |
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《基準》 | 0.1mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響と鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 有毒、蓄積性あり、神経系への障害。血液や血管系を侵し、貧血、血色素量の低下、頭痛、食欲不振をまねく。腎臓障害、不妊。 |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
ヒ素 | |
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《基準》 | 0.05mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響と農薬、殺虫剤、医薬品、除草剤の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 爪や毛髪の萎縮、肝硬変、知覚麻痺を起こす |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
六価クロム | |
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《基準》 | 0.05mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 激しい嘔吐と下痢、腎臓障害をおこす |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
シアン | |
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《基準》 | 0.01mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 化学工業、金属メッキ等の工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 経口的に多量に摂取すると数分以内にめまい、頭痛、吐き気、痙攣、失神を起こして死亡 |
《対策等》 | 飲用利用の停止。原因の追求、水源の転換 |
フッ素 | |
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《基準》 | 0.8mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 地質による影響(温泉地帯に多い)と工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 低濃度であれば虫歯予防に効果があるが、高濃度であれば有害。体重減少、嘔吐、便秘、骨の形成障害が起こる |
《対策等》 | 水源の転換、飲料用以外での利用 |
有機リン(食品衛生法) | |
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《基準》 | 0.1mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 農薬等の散布による混入の疑い |
《身体に対する影響等》 | 嘔吐、下痢、言語障害、意識混濁 |
《対策等》 | 水源の転換、飲料用以外での利用 |
亜鉛 | |
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《基準》 | 1.0mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 鉱山、工場排水の混入による汚染の疑い。 亜鉛メッキ鋼管からの溶出による疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 毒性は弱く健康上への支障は少ないが、白濁(白水障害)や不快な収れん味を与える。 多量摂取の場合腹痛、下痢、嘔吐を起こす |
《対策等》 | 配管の交換およびライニング工事 |
銅 | |
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《基準》 | 1.0mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 鉱山、工場排水、農薬の混入、殺藻剤として使用した硫酸銅の影響、給水装置の銅管、真ちゅう器具からの溶出による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 人に対する毒性は低いが、多く含むと金属味を帯び(5mg/l以上)、洗濯物を青く染める |
《対策等》 |
マンガン | |
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《基準》 | 0.3mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 主として地質の影響による。その他鉱山、工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 神経症状(言語障害)を主とする中毒症状。水を着色し食器を汚染する(黒水障害) |
《対策等》 | 除マンガン装置の取付け、水源の転換 |
蒸発残留物 | |
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《基準》 | 500mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 水中へのいろいろな不純物の溶解の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 溶解性物質の量を示し、清澄な水はその量が少ない |
《対策等》 |
陰イオン界面活性剤 | |
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《基準》 | 0.5mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 家庭下水、工場排水の混入による汚染の疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 洗剤であり0.5mg/l以上で泡立ちはじめることを考慮して、泡立ちの抑制を確実にする観点から基準が定められている |
《対策等》 |
フェノール類 | |
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《基準》 | 0.005mg/l以下 |
《主な不適の原因》 | 工場排水の混入や防さび剤、防腐剤の混入による汚染に疑いを示す |
《身体に対する影響等》 | 塩素消毒の際、特有の臭いを与える観点から基準を定めている。中枢神経系に刺激を生じるとともに麻痺性を起こす。高濃度である場合には嘔吐、チアノーゼ血圧降下などの急性中毒症状が現れる |
《対策等》 |
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