金沢市冬期バリアフリー計画 1-1(1)
1-1 概況 (1)地勢
1. 位置・地形
石川県の県庁所在地である金沢市は、日本海に面しており、面積は467.77平方キロメートルである。特に北陸地方の中心都市であるため、国の行政機関が多く立地しているとともに、北陸三県を商圏とする経済の中心である。金沢市の中心市街地は、白山山系から連なる山々を背に日本海に至り、市街地は3つの台地と2つの河川にまたがって形成されているため、坂道が多いなど起伏に富んだ地形を有している。

図 金沢市の位置

図 金沢の地形
2. 人口
金沢市の人口は約45万6千人(平成12年国勢調査)で、平成22年には48万5千人になると推計されている。また、年齢別人口構成をみると、年少人口の減少と高齢人口の増加がみられ、高齢人口の割合は平成12年の16%から平成22年には18.2%に上昇し、高齢化が一層進んでいくものと予想されている。
金沢市全体の人口はやや増加傾向にあるものの、定住人口の郊外流出にともない、中心市街地の人口は急激に減少しており、中心市街地の空洞化が問題となっている。

図 金沢市の人口の変化と推計(資料:金沢市新基本計画)
(注意)ただし、平成12年度は、基本計画策定時は推計値のため、国勢調査結果を反映

(資料:金沢市中心市街地活性化基本計画)
図 金沢市の中心市街地における人口の推移
(注意)中心市街地とは、金沢城址を中心とした藩政期の城下町の区域を基本とした区域であり、特に商業機能が集積している区域を重点整備地区(犀川、北陸本線、浅野川、内環状線に囲まれた区域)と位置づけている。
3. 地区別世帯数・高齢者数
市内中心部(01,02,03ゾーン)では、世帯人員が2.5人以下(市平均2.63人)、高齢者率が20%以上(市平均16%以上)、高齢者世帯率が15%以上(市平均9.8%)となっており、子世帯の転出により、高齢世帯が増加している。

図 世帯人員(資料:国勢調査 平成7年)

図 高齢者率(資料:国勢調査 平成7年)

図 高齢世帯率(資料:国勢調査 平成7年)
4. 都市構造
金沢市は非戦災都市であり、市街地の骨格は、城下町特有の歴史的街路を色濃く残しているのが特徴である。都市構造の原型は1600年頃に出来上がり、多くの用水や複雑な細街路で造られた城下町の都市構造は、その後、市内軌道の建設にあわせて道路拡幅が行われ中心部の骨格道路が形成されたが、裏通りは昔のままの街路構造やまちなみが残っており、歩いて楽しめる街路構造になっている。

図 藩政期(江戸時代末)の街路構造(金沢大学文学部地理学教室所有)

図 現在(平成6年)の街路構造(出典:財団法人日本地理センター「地図で見る金沢の変遷」)
一方、都市機能の充実を図るため、旧市街地に位置する片町・香林坊・武蔵ヶ辻・金沢駅から、同駅を経て金沢港に至る動脈幹線を都心軸と位置づけている。都心軸では、高次都市機能の集積と適正配置に努めており、現在の業務・商業機能や文化歴史的資源が集積する都心に対して、平成15年1月に県庁が移転した金沢西部副都心地区及びその周辺には、各種行政機関が立地し、今後、広域業務機能の集積を目指している。

図 都心軸ゾーン
(出典:エスプラナード 2000年10月)
5. 歩行者数の状況と将来見込み
金沢市の歩行者通行量の最も多い場所は竪町商店街で、休日には1日あたり25,000人もの歩行者が通行している。

図 商店街における歩行者交通量(平成13年10月)
(資料:金沢市、金沢商工会議所、金沢市商店街連盟)
(注意)名商店街の最も通行量の多い調査地点のみ抜粋
また、金沢市の歩行者通行量は、竪町商店街以外では平日・休日ともに年々減少の傾向がみられるが、金沢市中心市街地活性化計画では、平成15年時点において歩行者通行量の2割アップ(平成9年度基準)を数値目標として掲げている。

金沢駅周辺

武蔵周辺

香林坊周辺
図 歩行者通行量の経年変化(資料:金沢市、金沢商工会議所、金沢市商店街連盟)
(注意)竪町の平成11年の値は道路工事のため欠測
6. 観光客数
金沢地域(金沢市及び河北郡、野々市町、松任市、美川町)の平成12年の観光客数は約620万人で、平成7年からの推移ではほぼ横ばい状態である。
冬期でも「金沢ルネッサンス冬まつり」や「フードピア金沢」などのイベントが行われており、月別入り込みをみると、2月でも50万人以上の観光客が訪れている。

金沢百万石まつり

フードピア金沢

図 金沢地域の観光客数の推移

図 金沢地域の月別観光客数の推移(平成12年)
(資料:統計からみた石川県の観光)