金沢市冬期バリアフリー計画 5
1. 金沢市交通バリアフリー基本構想(平成14年)
1. 交通バリアフリー法について
法律名は、「高齢者・障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」で、通称「交通バリアフリー法」という。
法の目的
高齢者、身体に障害のある人、そのほか妊産婦の方などが、公共交通機関を利用して移動する際の利便性及び安全性の向上を目的に、以下の施策を推進。
- 駅・バスターミナルなど、「旅客施設」のバリアフリー化
- バス・電車・航空機など、「車両等」のバリアフリー化
- 駅などの旅客施設を中心とした一定の地区における旅客施設、周辺の道路、駅前広場、信号機等のバリアフリー化
施策の概要
交通バリアフリー法の施行(平成12年11月)にあわせ、金沢市では、JR金沢駅、JR西金沢駅周辺の2ヶ所を重点整備地区に指定し、基本構想を策定した。

図 交通バリアフリー法の枠組み
基本構想の性格と目標年次
平成13年4月に策定された「新金沢市総合交通計画」は、「金沢市交通バリアフリー基本構想」の上位計画であり、この基本構想はこの計画の実施計画的性格を有する。目標年次は、新金沢総合交通計画との整合を図り、「平成22年(2010年)」とする。
2. 重点整備地区と特定経路
国の定める重点整備地区の要件に基づき、JR金沢駅とJR西金沢駅周辺を重点整備地区と指定。
駅利用者数 | 重点地区 面積 |
整備する歩行者動線 特定経路 |
整備する歩行者動線 歩行者ネットワーク経路 |
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JR金沢駅 周辺地区 |
1日5000人以上の利用あり (1日あたり4万5000人) |
234.5ヘクタール | 20,254メートル | 2,976メートル |
JR西金沢駅 周辺地区 |
隣接する北陸鉄道新西金沢駅とあわせて6000人弱 | 87.2ヘクタール | 2,976メートル | 1,432メートル |

図 JR金沢駅周辺における重点整備地区及び特定経路
- 重点整備地区の位置と区域
重点整備地区は、特定旅客施設から徒歩圏内にあって、高齢者、身体に障害のある人等が社会生活において利用する官公庁施設、福祉施設、その他の施設を含む地区である。 重点整備地区の範囲は、特定旅客施設から徒歩圏(概ね500メートル〜1キロメートル)内の範囲であると想定されるが、施設の分布状況などの地域の実情に応じて市町村が判断する。 - 特定経路
歩道の新設も含めて、「道路のバリアフリー基準」に適合した整備を進めるべき道路を特定経路として指定し、着実に整備を進める。 - 歩行者ネットワーク経路
細街路の多い金沢の道路事情に考慮して、「道路のバリアフリー基準」に合致した整備を行うことが困難で、特定経路に指定できない道路であっても、バリアフリー化をはじめとした歩行者優先の整備を行うべき道路を「歩行者ネットワーク経路」として指定し、優先的に整備を進める。
3. 整備方針一覧
各交通施設においてバリアフリー化のために実施する事業では、できるだけ具体の事業を掲げ、その整備目標を定めた。また、法定外の事項についても盛り込んでいる。
表 整備方針(交通施設における整備目標)
(注意)冬期バリアフリー計画の関連内容については、赤字で示す
項目 | 整備の目標 |
---|---|
JR駅舎 JR金沢駅 |
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JR駅舎 JR西金沢駅 |
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駅前広場 JR金沢駅西広場 |
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駅前広場 JR金沢駅東広場 |
平成17年供用開始
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駅前広場 JR西金沢駅前広場 |
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歩道等 |
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特定車両 鉄道車両 |
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特定車両 バス車両 |
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信号機等 |
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再整備事業に関する事項 |
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項目 | 整備の目標 |
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北陸鉄道石川線及び浅野川線 |
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バス停 |
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タクシー |
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2. 新金沢市総合交通計画(平成13年)
1. 計画の経緯
- 計画の目的
新金沢市総合交通計画は、環境意識の高まり、少子・高齢社会の進展、中心市街地の活力低下等、社会情勢の変化に的確に対応するとともに、世界都市金沢にふさわしい交通体系を構築することを目的に、金沢市の交通政策の基本的な方向性や目標および推進方策を策定したものである。 - 目標年次
平成22年(2010年)。 - 計画の基本的考え方
計画では、1都心部では公共交通・歩行空間を優先、2自動車交通の円滑化、3地球環境への対応、4市民意識の醸成のほか、バリアフリー環境の整備、ITS等の新技術の導入、物流の効率化、規制緩和を踏まえたバスの確保、雨や雪など金沢の気候特性への配慮、金沢への来訪者の視点、運転マナーやモラルの向上等の点にも留意してある。
2. 計画の内容
- 基本理念
「ひと・まち・環境が共生する21世紀の交通体系の構築」
~「世界都市金沢」の形成をめざして~ - 目標
目標1 環境負荷の小さな持続可能な都市を形成する交通体系
目標2 人にやさしく安全・安心な交通体系
目標3 まちの魅力を高め活気づける交通体系
目標4 交流を促進する円滑で快適な交通体系 - 数値目標
- 鉄道、バス利用者を1995年比で10%アップ
- 全市民が、月に一度は自動車を利用せず、公共交通や自転車へ転換
- 交通運輸部門の二酸化炭素排出量を1995年レベルで安定化
3. 施策の目標と進捗状況(関連内容の抜粋)
新金沢市総合交通計画の施策の目標と進捗状況(冬期バリアフリー関連内容のみ抜粋)。

ひとにやさしく安全・安心な交通体系