旧森快安邸

指定保存建造物:旧森快安邸(きゅうもりかいあんてい)

旧森快安邸の詳細
所在地 金沢市橋場町2-17
指定保存建造物 平成2年4月21日指定

大樋家が昭和27年頃購入したものですが、もとは藩政末期に知行300石を受けた医者森快安の住宅で、万延元年(1860年)に建築されたと伝わっています。
建物を正面から見ると、武士住宅特有の端正な切妻屋根と白い漆喰壁がもう一つ低く質素に構えた門が目にとまります。
建物の平面形は左から右へと雁行(がんこう)しているように見えますが、後年の増改築によるところが大きく、この部分はかつては厩、へっつい、下便所で、通り庭を挟んで独立した棟でした。
建物平面の縦軸左半分に、式台、客間、2間続きの主座敷、客用便所と鞘の間、縁などを配し、右半分に、玄関、女中部屋、台所などが配されています。主座敷脇に茶室があり、縁の内につくばいがあります。主座敷に面する縁のみが板縁と土縁を備えており、その他は土縁のみで、現在の板縁及び畳縁は後に加えられたものです。
とかく採光が不足し暗くなりがちな武士住宅にあって、この建物は、玄関とそれに続く台所の一部が吹抜けになって、天空光を取り込んだ明るい空間となっています。主座敷、客間は床の間を備え、簡素ですがしっかりとした造作がなされ、飴色に鈍く光る磨き丸太の床柱や、さりげなく取り込まれた面皮付柱、長押に打たれた釘隠しの意匠などに、部分的な付け足しはあるものの、全体的にはほぼ旧形のまま保存されています。
なお庭の松は、「折鶴の松」と命名され、金沢市の指定保存樹になっています。

切妻屋根と白い漆喰壁の旧森快安邸を道路側から見た写真

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