旧諸江屋

指定保存建造物:旧諸江屋(きゅうもろえや)

旧諸江屋の詳細
所在地 金沢市東山1丁目13番24号
指定保存建造物 昭和59年4月11日指定

旧諸江屋のある旧東の廓(旧愛宕町、通称「ひがし」)は、文政3年(1820年)にこの地に成立しました。この頃は現在の旧諸江屋の区画地は2区画となっており、まだ諸江屋の名はなく、慶応3年(1867年)に出た「東新地細見のれん」(菊くらべ)に、大のれん61軒の一つとして初見されます。
この建物は、茶屋町の典型的な特徴を備えた伝統的な形式を取っていて、意匠的にも優れ、藩政期以降の近世茶屋町建築様式を今に伝える代表的な建物の一つです。建築年代は藩政期末期から明治初期のものと推定されます。現在は木造瓦葺2階建てですが、当初は石置きの板葺屋根でした。
外観は、茶屋町の特徴であるベンガラを塗った出格子と背の高い2階建てで、2階表に座敷と縁が設けられていて開放的です。
店の間の表は、ベンガラ色のはめこみ式の出格子(木虫籠「きむすこ」と呼ばれる)で、「ひがし」の中では最も古い形式のものです。出格子の割付けは、1間(1.8メートル)の柱間に70本以上の繊細なタテ子が入っている細かい格子が特徴で、格子の断面が台形をしている内側が狭く表の見付幅が広いので、表から見た時、隙間が狭いうえに格子の表面が明るく、内側を見通すことはできませんが、内側からは外が見やすくなっています。
現在は「螢屋」となり、日本料理の店舗として利用されています。

前に1本の木が立ち、2階建て、レンガ色に染まるベンガラを塗った出格子の旧諸江屋の写真

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