野坂邸

指定保存建造物:野坂邸(のさかてい)

野坂邸の詳細
所在地 金沢市彦三町1丁目7番38号
指定保存建造物 昭和60年4月11日指定

野坂邸は新番組御徒小頭を勤めた禄高200石の加賀藩士の家です。文政13年(1830年)の屋敷替えにより現在の家に移ったとの記録があり、建物の建築年はそれ以前の藩政期末期頃と推定されます。
建物は間口6間(10.9メートル)、奥行8間(4.5メートル)の本屋のほか土蔵があります。正面左の長屋門の仲間部屋を取り込んで離れがつくられていますが、これは大正期に改造したものと思われます。
本屋1階は、玄関を入って右手に茶の間、居間、仏間と奥に向かって並び、仏間の左手に座敷を配した間取りで、武家屋敷の特徴を顕著に残しています。
建物の南側と東側を取り巻く長屋門とそれに連なる敷地を囲む土塀は、かつてのこの地のたたずまいをしのばせます。
長屋門の正面中の間は2間(3.6メートル)で、張り間も2間となっています。長屋門の緩い屋根は、もとは木端葺きでしたが昭和4年(1929年)に亜鉛鉄板葺きにしたもので、風返し(かざがえし)を持っています。向かって左手にはもと仲間部屋2室と馬屋があり、右手には現在納屋(もと駕入れ)があります。土塀は総延長約32間にも及び、あたかも藩政期の武家のまちの景観を呈しています。
なお、長屋門、土塀の役石は、戸室石を用いた旧来の玉石積みで、一部修繕はあったものの、旧態をよくとどめています。

敷地を囲む土塀から連なる、亜鉛鉄板葺きの緩い屋根造りの長屋門を道路の反対側から撮影した、野坂邸の写真

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