旧田上医院

指定保存建造物:旧田上医院(きゅうたがみいいん)

旧田上医院の詳細
所在地 金沢市尾張町1丁目5番20号
指定保存建造物 平成22年4月21日指定

旧田上医院は、昭和7年に建築された近代洋風建築で、その周辺には指定保存建造物の旧三田商店、旧村松商店、旧石川銀行橋場支店、旧森快安邸が建っています。敷地は南側と東側が道路に接する角地で、敷地の中には旧医院棟のほかに南東角に旧臨床検査所、東の通りに面して旧住宅棟および離れが建っています。旧住宅棟は平成9年に田上家として指定保存建造物に指定されました。

建物は木造2階建てで正面となる南面は1、2階とも上げ下げ窓を連続させたモルタル塗りの壁面です。1階と2階の間に幅広の見切りを入れた比較的単調な意匠で、中央の入口は独立柱を持つ吹き放ちのポーチを設け玄関を構えています。側面は隣家が接していた部分を鉄板張りとする以外は下見板張りとなっています。
建物の平面は玄関の右脇に男子待合室、左脇に女子待合室を設け、それぞれに入口があります。玄関ホールから内部は旧住宅棟と連結するまでの奥行きの長い中廊下を設け、その左右に部屋を配しています。1階中廊下の東側には手前から受付を兼ねた薬局、診療室、男子処置室、応接室が、西側には看護婦室、処置室、検査室、手術室、消毒室が並んでいます。
2階は階段ホールから1階と同様に中廊下があり、東側には大小7室の病室が並び、奥に浴室、看護婦室があります。西側には病室、物入れ、面会室、自炊室、レントゲン室、電気室が並んでいます。
旧田上医院は内部の平面構成にかかわる間仕切りなどの改変もなく、建築当初の状態が保たれています。特に玄関周りや廊下から見た部屋の連なるたたずまいや待合室、薬局、診察室、手術室などの内部は、内装類や調度に至るまで建築当初の状況が残されています。金沢において昭和という激動の時代を過ごした人々の生活を垣間見ることのできる貴重な医院建築です。

建物玄関の両脇近くに緑が植えられ、がグレーの外壁、四角の上げ下げ窓が並ぶ木造2階建ての旧田上医院の外観写真

外観

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