法船寺山門 附 棟札
有形文化財 建造物
法船寺山門 附棟札
| 所在地 | 金沢市中央通町11番46号 |
|---|---|
| 市指定文化財 | 令和8年4月1日指定 |
法船寺は、金沢市中央通町に位置する浄土宗の寺院です。当初は尾張の犬山にありましたが、法船寺の開山である念誉が前田家に従い、越前府中などへ移転を繰り返しました。慶長4年(1599年)には、金沢旧古寺町に寺地を拝領して開創しました。寛永8年(1631年)4月の大火により焼失しましたが、第二世近誉の時に犀川中村河原に寺地を得て再建されたとされています。
法船寺の山門は境内の北東隅、通りに延びる参道の端に立つ一間一戸の楼門です。両脇には脇塀が付属し、両方に潜戸が開いています。鐘楼門として建てられましたが、鐘が吊られた形跡はありません。棟札により、建築年は享保9年(1724年)、大工(工匠)は「越中高岡住山崎氏」と判明しています。明治43年(1910年)に一度倒壊しましたが、翌年に元の部材を用いて再建されました。
規模は、下階が桁行・梁間ともに一間、上階は桁行三間、梁間一間で、周囲に擬宝珠高欄を据えた切目縁を巡らせています。屋根は切妻造の平入で、桟瓦葺きです。下階は薬医門のように造られ、冠木と桁行梁の上には四本の梁が架けられています。両先端は肘木状に持ち送られ、繰形・絵様付きの大斗肘木で上階の縁葛を支えています。主柱と控柱は上下に貫を入れてつないでいます。
上階は逓減せずに下階と同じ幅で立ち上がり、梁の上に粽付きの円柱が立てられています。柱上では木鼻付き頭貫と台輪が巡らされ、組物は平三斗拳鼻が置かれています。両側面妻側のみ、中備に蟇股が入っています。正・背面の柱間三間には花頭窓が入れられ、妻側面では方立柱を立て脇羽目を入れていますが、四面ともに開放となっています。
妻組は虹梁大瓶束形式で、大瓶束には蟇股状の笈形が飾られ、虹梁下にも蟇股が据えられています。軒は二軒疎垂木で、破風拝みには蕪懸魚鰭付きが打たれています。屋根は当初、杮葺きだった可能性があります。
上階は縁、花頭窓や妻飾りで装飾されており、下層と上層の平面規模が同一になっている点は特徴的といえます。
法船寺山門は市中にある一般末寺の山門として、小規模ではありますが丁寧な造りです。棟札により建築年代が判明し、市内の一間一戸楼門としては最古であることから、編年の指標となりうる建築として、貴重な遺構です。
法船寺山門




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