旧永井家住宅

有形文化財 建造物
旧永井家住宅(きゅうながいけじゅうたく)

旧永井家住宅の詳細
所在地 金沢市湯涌荒屋町35-1 金沢湯涌江戸村
市指定文化財 【市指定文化財】平成22年9月1日指定

旧永井家住宅は湯涌荒屋町地内の金沢湯涌江戸村に建つ足軽住宅で、もとは中主馬町(現菊川2丁目地内)にありました。当初の建築年代は江戸時代末期と推定されます。中主馬町は江戸時代に足軽組地であった場所で、建物は明治4年(1871年)頃から明治30年(1897年)まで永井家の居宅となりました。永井家は大雄弁家として知られた政治家永井柳太郎の生家です。昭和16年(1941年)から永井善隣館の記念館となり、昭和30年(1955年)頃に敷地内で曳家されています。昭和56年(1981年)旧江戸村(湯涌町地内)に移築され、平成20年(2008年)、再度現在地に移築されました。現在地への移築において調査に基づき明治初期の永井家当時のかたちに復元されました。
建物は切妻造平入りの木造平屋建てで、屋根は板葺き石置き屋根です。軒先のカザガエシは猿頭止め、棟は杉皮と石置形式とし、庇は流し板葺きの目板押さえです。外壁は正面軒下の小壁を土壁とする他は全て下見板張りです。玄関脇に板庇の出窓を設け、座敷に付く土縁に面して雨戸を入れています。
平面は、玄関右手に便所、正面に玄関の間を置き、その右手に板の間、その奥に板の間と流しを設けています。玄関左手に4畳半の小間を置き、その奥に6畳の茶の間、納戸が続きます。納戸天井には天への開口部があります。茶の間には板の間境の明かり障子に面して囲炉裏を設けています。小間の左手には6畳の座敷が続き、座敷は床脇に付書院・天袋を構え、化粧屋根裏天井の土縁に面します。座敷の奥に6畳の鍵の間が続きます。
原形を留める保存状態の良い足軽住宅は市内に数少なく、金沢において現存する遺構として極めて貴重であり、永井柳太郎の生家としても歴史的に貴重な建築物です。

住宅の庭に木が植えられ、切妻造平入りの木造平屋建て、板葺き石置き屋根の旧永井家の外観写真

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