本龍寺関係資料

有形文化財 美術工芸品:歴史資料
本龍寺関係資料(ほんりゅうじかんけいしりょう)

本龍寺関係資料の詳細
所在地 金沢市金石下本町1-23 宗教法人 本龍寺 
市指定文化財 令和6年4月1日指定

 

本龍寺は、文明元年(1469年)、越中井波の瑞泉寺第4世蓮欽(れんきん)が梅原村(現在の南砺市梅原)に創建したのが始まりで、第4世賢恵(けんえい)の時に本願寺第11世顕如(けんにょ)により本龍寺の寺号を賜り、慶長7年(1602年)に現在地へ移転した真宗大谷派の寺院です。

古文書757点のうち、近世史料35点については本願寺とのやり取りがうかがえる史料が多く残ります。また、江戸時代の住職・寺族の肖像を切紙に白描した『歴代住持面像綴(れきだいじゅうじめんぞうつづり)』は、近世後期における地方寺院の僧侶の肖像は少ないため貴重です。

古文書の大半を占める近代史料については、本願寺が発給した歴代住職の僧侶身分の昇叙に関するものが豊富にあるほか、金石出身の実業家である安宅弥吉が住職に宛てた書簡が現存します。

什物141点の中には本願寺第8世蓮如(れんにょ)の名号や、本願寺第10世証如(しょうにょ)の方便法身尊像といった、信仰の対象となった寺宝が豊富にあります。また、『二条良基(にじょうよしもと)書状』は加賀国小坂荘(おさかのしょう)を浄福寺に寄進したことを示す史料で、数少ない良基自筆の史料として貴重です。

さらに、歴代住職に俳句や茶道をたしなむ文化人が多く、絵画や書跡が多彩にあることも特徴です。住職の手による和歌・俳句が残るほか、蔵月明(くらげつめい)・銭屋千賀女(ぜにやちかじょ)など地元の俳人による句や、哲学者鈴木大拙(すずきだいせつ)の書状などの近代以降の収集品も豊かです。これらの書画類は、幕末から近代にかけての住職たちの高い教養を示すとともに、本願寺をはじめとする真宗寺院間のネットワークの賜物であり、宮腰と大野湊という金沢の外港をかかえるこの地域が、多様な文物の往き交う文化の交差点であったことを証明しています。

本龍寺関係資料は本山との関係を表すもの、地元の人々との文化交流を表すものと多種多様であり、浄土真宗史関係だけではなく、地域史や文化史などの様々な研究に資する史料として重要です。

 

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