青井戸茶碗 銘 雲井
有形文化財 美術工芸品:工芸品
青井戸茶碗 銘 雲井(あおいどぢゃわん めい くもい)
所在地 | 金沢市本多町3丁目2番29号 金沢市立中村記念美術館 |
---|---|
市指定文化財 | 【市指定文化財】平成20年12月26日 |
井戸茶碗は、大井戸(おおいど)、小井戸(こいど)、青井戸(あおいど)に大別され、「一井戸、二樂、三唐津」や「一井戸、二萩、三唐津」などと言われるように、桃山時代以後、あらゆる種類の茶碗の筆頭に挙げられてきました。その中でも銘「雲井」は、数々の美術書に掲載されるなど、青井戸屈指の名碗として、国内での評価が定着しています。
近代以降、銘「雲井」は数々の所有者を経て金沢の醸造家中村家へ伝わりました。「雲井」の銘は、かつての所有者だった大阪の両替商の白山家当主彦五郎が、「播磨かたすまのはれまになかむれはなみは雲井のものにそありける」という和歌により命銘したものです。
「雲井」の特色は、端正な姿の良さ、ロクロ目、竹の節高台(こうだい)、貫入(かんにゅう)・梅華皮(かいらぎ)と呼ばれる釉の景色など井戸茶碗の見所を良く備えたところにあり、名碗としての価値が高く、また、金沢の近代実業家の優れた茶道具収集の歴史を伝える名品として文化財的価値が認められます。
