板地彩色絵馬額面
有形文化財 美術工芸品:絵画
板地彩色絵馬額面(いたじさいしきえまがくめん)
所在地 | 金沢市片町2-10-17 前田土佐守家資料館 |
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市指定文化財 | 昭和52年11月11日指定 |
地額面に著色で神馬を描いた、二面一対の絵馬です。1面は白毛、もう1面は黒毛の繋ぎ馬の図で、狩野画風の練達したのびやかな筆法で描き上げられています。馬の生彩に溢れたその形態は、蹄の音やいななきの声が今にも聞こえてくるようです。背中から腹に幕を巻きつけてありますが、その紋様の彩色も鮮やかで、画面を一層引き立てています。
製作年代は筆者の矢田四如軒が50歳余りの安永中頃か天明の初期頃と思われます。画中に署名と印影がありますが、奉納者銘がないため、筆者自らの祈願があってここへ寄進したものと考えられています。
四如軒は加賀藩の老臣前田直躬の家の老職をつとめた武士です。狩野派を学び、中国や我国の古画を模写して画技を高め、早くから画名がひろがりました。市内には、肖像画や頂相画のほか、禅に由来した道釈人物図や故事人物図などが多く遺存しています。また俳画や仏画画、鳥獣画が知られています。