蒟醤卓

有形文化財 美術工芸品:工芸品
蒟醤卓(きんましょく)

蒟醤卓(きんましょく)の詳細
所在地 金沢市出羽町2-1 石川県立美術館
市指定文化財 【市指定文化財】昭和52年3月1日

この卓は高さ60.5センチメートル、上板縦46センチメートル、横40センチメートルもある卓で、表面、側面、足、台にいたるまで一面に蒟醤(きんま)による装飾が施されています。蒟醤とは、まず器面に文様を線彫りし、その中に色漆を充填して、乾いたのちに研ぎ出す技法をいいます。発祥はタイ、ミャンマーなどで、中国に伝わって填漆とよばれ、日本には16~17世紀頃にアユタヤとの交易を通じてもたらされ、茶人により香合、食籠に転用され愛好されました。
文様は繊細な割文と龍・宝草華唐草などによって構成され、蝋色磨きによって入念に仕上げがなされています。多角かつ複雑な曲面構成をもった型体に加えて、上部には香炉を置くために稜形の空間を作るなど、卓抜な図案力を示しています。
この作品は天徳院建立に対し、3代藩主前田利常により寄進されたとされ、天徳院創建当時の調度の姿を知る貴重な資料の一つです。

表面、側面、足、台にいたるまで一面に蒟醤(きんま)による装飾が施された蒟醤卓の写真

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