砧青磁平水指 銘 青海波
有形文化財 美術工芸品:工芸品
砧青磁平水指 銘 青海波(きぬたせいじひらみずさし めい せいかいは)
所在地 | 金沢市本多町3丁目2番29号 金沢市立中村記念美術館 |
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市指定文化財 | 平成20年12月26日 |
砧青磁は、中国の南宋(なんそう)代から元(げん)代初期にかけて浙江省(せっこうしょう)の龍泉窯(りゅうぜんよう)で焼かれた青磁に対するする日本での呼称で、白磁胎(はくじたい)にかかる青磁釉の柔らかく潤いのある光沢と鮮やかな翠青(すいせい)色に特色があり、世界的に高い評価を得ています。
砧青磁平水指銘青海波は、盥(たらい)形の容器で、中国では洗(せん)と呼ばれ、日本に伝世してから水指に見立てられました。口縁は6弁の輪花(りんか)形に成形されており、胴の中程と裾には浮帯(ふたい)が巡っています。砧青磁の器種は、花生、香炉、碗、鉢、皿、壺などが多くみられますが、このような器形は世界的に見ても唯一のもので希少価値が高いものです。
口縁の輪花形に合わせた黒漆塗(くろうるしぬり)の蓋(ふた)が付き、蓋表に「青海波」の文字が金蒔絵(きんまきえ)で表してあり、内箱蓋裏に「たらい之水さし/蓋昔ノもく付/(花押)」という茶人の千宗旦(1578〜1658年)の箱書が記されています。
