絹本著色仏涅槃図(祇陀寺)

有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色仏涅槃図(けんぽんちゃくしょくほとけねはんず)

絹本著色仏涅槃図の詳細
所在地 金沢市十一屋町11-2 祇陀寺
市指定文化財 昭和51年3月22日指定
身をかがめた釈迦仏の周りにたくさんの人々が集まっている様子が描かれている絹本著色仏涅槃図の写真

仏涅槃図は平安時代より数多く制作されていますが、この祇陀寺の涅槃図は県内各寺院に多く伝わっているものの中で、現在最古のものと思われます。
金箔を置いた仏身は、鎌倉時代の作例によった姿で、荘厳さと明るさを保っています。諸菩薩たちの表情は流暢な筆線によって描かれ、彩色も重厚な中に穏やかさが見られます。また禽獣が口に花をくわえて慟哭する描写は特に優れており、その筆線の見事な運びは一層この画に生彩を添えています。画面全体の構成を見ると、中央の釈迦仏の身をかがめた姿体は、入滅直後ということが感じられ、それを嘆き悲しむ菩薩、諸天、禽獣の動作とが調和して、その切実さが見事に表現されています。製作年代は鎌倉時代を下らず、その点貴重な作品です。
箱書の銘文によれば、もと白山本宮の蔵物でしたが、明治の初めの神仏分離の際、一時加賀藩の社寺方におさめられ、その後祇陀寺に与えられたことが知られます。

この記事に関するお問い合わせ先

文化財保護課
郵便番号:920-8577
住所:金沢市広坂1丁目1番1号
電話番号:076-220-2469
ファックス番号:076-224-5046
お問い合わせフォーム