紙本著色金沢城二ノ丸御殿景観図
有形文化財 美術工芸品:絵画
紙本著色金沢城二ノ丸御殿景観図(しほんちゃくしょく かなざわじょう にのまるごてんけいかんず)
所在地 | 金沢市玉川町2番20号 金沢市立玉川図書館 |
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市指定文化財 | 昭和54年4月21日指定 |
この絵は、安政5年(1858年)絵師佐々木泉玄の手になる、金沢城二ノ丸御広式御居間から遠望した写生図と、その部分図です。御殿の建造物を流麗な筆線で手ぎわよく描き上げ、更に樹木および遠景の森の広がりを取り入れて画面に深さを添え、淡彩で全体の調子を整えていることなど作者泉玄のすぐれた技法を感じさせます。画中の庭園の様子は、盆栽、流泉、小亀の遊ぶ様子などほほえましく、御殿越しに遠くの宮越(金石)方面に夕日を望む雄大な構図となっています。部分図では、二ノ丸御殿の庭にある御好屋(御茶室)と専光寺浜を遠望し、明細に描かれています。
金沢城内の殿閣がほとんど残っていない現在、その遺構をしのぶ上でこの絵は非常に貴重なもので、当時の状況を知るうえで何よりの資料といえます。
