大野湊神社関係資料

有形文化財 美術工芸品:歴史資料
大野湊神社関係資料(おおのみなとじんじゃかんけいしりょう)

大野湊神社関係資料の詳細
所在地 金沢市寺中町ハ163 大野湊神社
市指定文化財 平成11年4月30日指定
平成14年12月11日追加指定

大野湊神社は、近世金沢城下町の外港として栄えた加賀宮腰の氏神で、石川郡大野荘惣鎮守の由緒を持つ古社でもあります。本資料は富裕な町人社会の氏子衆に支えられ、藩権力の厚い外護を得ていました。江戸時代地方都市の産土社に所蔵される古文書と彫刻・工芸品・絵画からなり、近代の神社資料も含んでいます。
古文書は佐那武社祠官家伝来の近世文書が中心で、縁起・由緒書上・祭礼など、多彩な内容です。元禄から嘉永年間に至る「官御用留」120冊あまりは、藩の寺社統制考察の基礎資料とされ、神事能関係のものは地域文化資料として貴重です。彫刻は元和9年(1623年) の紀年銘をもつ翁面など、桃山から江戸初期の能面・鼻高面など9点のほか、室町末期頃の神像4体があり、寺中神事能や中世荘園鎮守時代の信仰を語る遺品です。また、寛永21年(1644年)在銘の木造狛犬一対は写実的技法の優品で、他に木造・石造の狛犬二対と江戸期の獅子頭3頭もあります。工芸品は17世紀に奉納された神鏡3面があり、また、寛永18年(1641年) に奉納された総体金箔押の墨壷は貴重な在銘の大工道具です。絵画は旧拝殿に掲げられている松波景栄作の大絵馬です。安政2年(1855年)氏子町人等の奉納で、幕末期宮腰町の経済力を彷彿させます。
日本海の要港として繁栄した、近世宮腰町における神祇信仰・祭礼文化に関する好資料として、その学術的価値はきわめて高いといえます。

口が空いた獅子の頭部、翁面、能面・鼻高面、木造狛犬一対、木造・石造の狛犬二対、神鏡3面、松波景栄作の源平合戦の様子が描かれた大絵馬などの資料の写真

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