紙本著色心岩自画像
有形文化財 美術工芸品:絵画
紙本著色心岩自画像(しほんちゃくしょくしんがんじがぞう)
所在地 | 金沢市寺町5-3-3 大円寺 |
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市指定文化財 | 昭和51年3月22日指定 |
心岩は浄土宗大円寺の第3世の住僧で、横蓮社縦誉と称し頑夢と号しました。正保4年(1647年)金沢に生まれ、宝永3年(1706年)8月江戸心光院において60歳で没しました。

仏事のほか画技に精進し、ことに仏画を多く描きました。その作品は、いずれも製作に数ヶ月を要する彩色密写の本格的な大幅が多く、その精力的な創作と技法には驚嘆すべきものがあります。それは自坊大円寺の荒廃を再興する資金集めのためでもあり、その作品は市内にも数多く現存します。
この大円寺に伝わる自画像は、法衣をまとい合掌安座した図様で、大願であった寺の復興が成り、仏にささげた一生をかえりみて、安らかに法の力に感謝する心情がその面貌によく表現されています。全体の筆線は、流暢で彩色も淡雅で、よく画面をととのえています。ことに、襟元と袖口の胡粉の白さは、その人柄の清廉さをよく表しています。自らの画技によって現世の姿をかき残した貴重な肖像であり、画像としても優秀なものです。