紙本墨書正信偈註

有形文化財 美術工芸品:書跡
紙本墨書正信偈註(しほんぼくしょしょうしんげちゅう)

紙本墨書正信偈註の詳細
所在地 沢市四十万町リ153 善性寺
市指定文化財 昭和50年7月1日

『正信偈註』は「正信偈」の註疎の1書で、存覚の『六要鈔』の釈を整備し、所引の諸文を補足、挿入したものです。現在、西本願寺に蓮如真蹟本が所蔵されていますが、この善性寺本は、粘葉装(でっちょうそう:文字の書かれた面を内側に入れこんで折り、折り目の外側を糊付けした書物のこと。文字の書かれたページと書かれていないページが交互に現れる)で、原表紙に外題はなく、識語(写本・刊本などで本文のあと、または前に、書写・入手の由来や年月などを記したもの。特に後人の書き加えたもの)によると、蓮如の弟である連照応玄が延徳3年(1491年)60歳の時に書写したもので、寺伝では連照から同寺開基法慶に授与されたとされています。
連照は文明5~6年(1473~74年)頃、加賀国大杉谷に下っており、同寺に蔵する連照書与の『御文』と併せて、善性寺本『正信偈註』は連照の確実な遺品であり、加賀における真宗本願寺派の有力寺院である善性寺の動向を示す貴重な史料です。

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