氏子地図

有形文化財 美術工芸品:書跡
氏子地図(うじこちず)

氏子地図の詳細
所在地 金沢市本多町3-1-30 石浦神社
市指定文化財 昭和35年11月3日

正式には、「加州石川郡写絵図」といいます。氏子区域の石浦・上下笠舞・保嶋・朱免野・山崎・今市・木新保の石浦郷7ヵ村は朱引で区画され、周囲の金浦郷・倉月郷・大野庄・富樫庄等を蚕食しつつ成長していく金沢城下町がよく理解できます。図の中央に屋根を青、柱を朱に彩色した「石浦山長谷寺」が、その左には薄墨色で石垣を囲らせた金沢城が描かれ、周囲に藩士邸18家・寺社16ヵ所や町・村・坂・橋の名が数多く書かれています。
成立年代は標題に「寛永8年辛末雪月14日弘遍代」とあり、郡地の入り混みも寛文以前の状態を伝えているので、原図は寛永8年(1631年)慈光院弘遍の時に描かれたと推定されます。しかし、如来寺等5ヵ寺は同年には該当地に存在せず、元禄10年(1697年)まであった大乗寺が既に「大乗寺古屋敷」や大乗寺坂と表記され、また、藩士名が同時期に揃う可能性は元禄14年(1701年)~享保14年(1729年)頃の間に限られるので、寛永の原図をもとに正徳・享保年間に図化されたものと思われます。

中央に石浦山長谷寺、その左側に樹木に囲まれた金沢城、周囲にいくつもの道が通っている氏子地図の写真

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