紙本著色身延山全景俯瞰図

民俗文化財 有形民俗
紙本著色身延山全景俯瞰図(しほんちゃくしょくみのぶさんぜんけいふかんず)

紙本著色身延山全景俯瞰図の詳細
所在地 金沢市弥生1-14-6 本是寺
市指定文化財 平成15年9月11日指定

この扁額は、元禄16年(1703年)5月、本是寺第四世の惠運院日乗聖人時代に、同寺の発起講一同が寄進した身延山全景の俯瞰図です。額の右上に富士山、左上には七面山、中央からやや左上に奥の院、中央左から本堂、その右に祖師堂等が続き、これから右方へ廊下続きに大方丈とこれに連なる一連の諸堂、さらに中央の下方には三門が見えます。また、中央左上の奥の院祖師堂、同拝殿、右上の五重の塔は、元和5年(1619年)前田利家の側室・寿福院が寄進した建物です。また、三門の下方に流れている身延川の一部が左右の両端に見え、左下方には御廟所、宝輪塔。右下方には本町と思われる建物が描かれてます。
身延山七百年略年表の資料によれば三門が建立されたのが寛永19年(1642年)6月、七面山の伽藍が整ったのは延宝3年(1675年)、また貞享4年12月(1687年)には祈祷堂三六ヶ所が建立されたとあることから、この絵図は延宝4年(1676年)以降、元禄16年(1703年)以前の身延山の全景図であることがわかります。江戸時代の中期頃に描かれた全景図と比較すると、堂塔の数が少なく、当時の状況を知る上で貴重な資料です。
なお、信徒が一生に一度、身延山に参詣することを願望しても容易に叶えることができなかった当時、この扁額を崇拝していたとも伝えられています。

額に入れられ飾られている紙本著色身延山全景俯瞰図の写真

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