金沢縄文ワールド 常設展示1
常設展示1 巨木の文化
チカモリ遺跡や中屋サワ遺跡から出土した縄文時代晩期の木製品を展示し、その優れた木工技術を紹介しています。
シンボル展示 - チカモリ遺跡の柱根 -
チカモリ遺跡は、昭和58年から60年にかけて発掘調査が行われた、縄文時代後期から晩期の集落跡です。発掘調査では、直径50センチを超えるクリの半裁材を円形に配置した「環状木柱列」が数多く見つかり注目を集めました。
このコーナーでは、チカモリ遺跡から出土した柱根を展示し、上部構造を復元することで、環状木柱列の往時の姿を再現しています。
展示品
柱根
柱根の修理が終わるまで
チカモリ遺跡から見つかった環状木柱列の柱根は、約2,800年もの間、地中に埋蔵されていたため、そのまま乾燥させると割れたりヒビが入ったりして元の形状を保つことができません。そのため、特殊な樹脂を含浸させる保存処理が行われています。
このコーナーでは、柱根の保存処理はどのように行われたのか、その技術について紹介しています。
展示品
柱根(門扉)、打製石斧、磨製石斧
木を割る技術
チカモリ遺跡環状木柱列の柱根は、最大のもので直径86センチを測ります。
縄文時代にはまだ金属がありません。当然、ノコギリやナタ、カンナなどもありません。
では、チカモリ遺跡の柱根のような巨木をどうやって伐採・分割・加工していたのでしょうか?
その答えは「石器」です。つまり、石の道具を使って木材を加工していたのです。
でも、実際にそんなことが可能なのでしょうか?石斧で本当に木を切ることができるのでしょうか?
実は…できるんです。
このコーナーでは、縄文時代と同じ道具を使ってクリの木を伐採するという実際の実験結果を映像で紹介し、「石器で木を切ることができるのか」の答えを解説しています。
中屋サワ遺跡の出土品
中屋サワ遺跡は平成13年から16年にかけて発掘調査が行われた縄文時代晩期の遺跡です。河川跡から土器や石器、木製品が大量に出土しました。
展示品
鋤(すき)、白木弓、掘り棒 など
中屋サワ遺跡の種類豊富な木製品
中屋サワ遺跡からは弓、容器など様々な木製品が出土しました。このコーナーではその一部を展示しています。
展示品
曲物底板・側板、木製容器、樹皮製品 など
県内の巨木文化
石川県内で環状木柱列が発見された能登町真脇遺跡、金沢市米泉遺跡、野々市市御経塚遺跡についてパネルで紹介しています。