金沢素囃子、加賀万歳
金沢素囃子(かなざわすばやし)
素囃子(すばやし)とは、長唄(ながうた)、常盤津(ときわず)、清元(きよもと)などの邦楽(ほうがく)や舞踊(ぶよう)から囃子(はやし)のみが独立(どくりつ)したもので、唄が入らない演奏(えんそう)だけの形式のことをいいます。金沢素囃子は、加賀百万石(かがひゃくまんごく)の伝統芸能(でんとうげいのう)のひとつで、格調(かくちょう)高く、美しく華麗(かれい)で、技術(ぎじゅつ)も高いことから、全国でもトップレベルにあり、地方的特色がきわだっている芸能といえます。優れた演奏技術である金沢素囃子は、長唄や清元などの演目において、唄とあわせて演じられることが一般的となっています。
加賀万歳(かがまんざい)
加賀万歳
加賀万歳は、前田利家が現在(げんざい)の福井県越前市(えちぜんし)を治めていたころ、領民(りょうみん)がお正月のお祝いのため舞(ま)っていたのが、利家が金沢へうつった後も金沢へ来るようになったのが始まりで、400年ほどの歴史があります。
万歳の形式は、太夫(だゆう)(主人)と才歳(さいぞう)(従者(じゅうしゃ))が、かけ合いによって、祝言ものをうたい、舞(まい)をおどります。 能楽(のうがく)の影響(えいきょう)を受けていて、舞や語りには、ユーモアがある中にも品格(ひんかく)があります。舞の衣装(いしょう)は、太夫は侍烏帽子(さむらいえぼし)をかぶり、腰(こし)には小刀をつけ、手には扇子(せんす)を持ちます。才蔵は真っ赤な大黒頭巾(だいこくずきん)をかぶり、紋付袴(もんつきはかま)で小太鼓(こだいこ)とバチを持ちます。