飯田家住宅(指定保存建造物)

指定保存建造物:飯田家住宅(いいだけじゅうたく)

飯田家住宅の詳細
所在地 金沢市小立野5丁目5番15号
指定保存建造物 令和2年3月23日指定

 当地は、藩政期においては、加賀八家のひとつ横山家の下屋敷地や畠地があった場所で、崖下へ続く鶴間坂は、その眺望の良さから詩歌俳諧を好む文人雅客が訪れたことで知られています。近代以降、近隣には、金沢監獄署や旧制金沢医科大学などの洋風建築が建設され、昭和3年(1928年)に彦三から移転してきた県立金沢商業学校の建設に伴い、飯田家をはじめとした学校敷地周辺の区画が造られました。
 飯田家住宅は、昭和3年(1928年)頃に、旧制金沢医科大学学長の須藤憲三氏の自邸として建築されたもので、敷地を囲むコンクリート造の花壇や木造平家建の物置も主屋と同時期に造られた住宅施設として現在も残ります。
 主屋は、正面をハーフティンバー風の洋風意匠とし、側面は雨戸を並べた和風意匠として意匠を分けますが、全体として装飾性を抑えることで一体感のある外観を形成しています。木造平家建で、全体を大屋根でまとめる構成とし、赤瓦の大きな切妻屋根が存在感を示しています。
 間取りは居住空間と接客空間を明確に区画した中廊下形式とし、玄関に設けた水道蛇口など、当時の最先端の衛生設備も確認されます。
 合理性や衛生思想など、医学者としてドイツ留学で学んだ施主の好みが建物の随所に反映されており、金沢における近代住宅の発展を示す好例です。

建物の周囲に植えられた樹木や紅葉した生垣、赤茶色の屋根に白い外壁の飯田家住宅の写真

外観

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