寿屋

指定保存建造物:寿屋(ことぶきや)

寿屋の詳細
所在地 金沢市尾張町2丁目4番12号
指定保存建造物 昭和62年4月11日指定

もと羽二重問屋の商家として使用されていたものを、昭和8年(1933年)精進料理専門の料亭を営むため購入し、さらに昭和10年に隣家を組み入れたものです。

建物は、間口6間(10.9メートル)・奥行11間(19.9メートル)、切妻造、平入、3階建てです。玄関を入って左手の奥に向かって、店の間・座敷・仏間と配された部分は藩政期のもので、他は明治以降の増改築によるものと思われます。
外観は、間口1.5間の玄関を中央に左右いずれにも木虫籠を入れ、蟻壁は彫縁で押さえた下見板張りとし、腰は舟板を横使いにして、犬釘で止め付けをしています。狭間石は、青灰色の凝灰岩で、葛石は赤戸室を用い、のみ切り仕上げです。軒鼻は銅板包みとし、小庇は化粧ダルキのさらしで、銅板平葺き(一文字葺)としています。
2階は、黒漆喰で方立ては漆喰塗り込めとしています。また、小柱には根廻金物、木鼻には木口金物が、いずれも銅板打ち出しで取り付けられています。庇は出桁を化粧腕木で支える、典型的な町屋建築です。初層屋根は、もと木端葺きだったと思われますが、現在は瓦葺きです。風返しやカザリなどもなく、改造のあとが見られるものの、市中心部にあって、大きく美しい黒瓦の屋根面と3階を持つ落ち着いた重厚性が、木虫籠や黒漆喰の正面意匠と見事に調和しつつ、藩政期の面影を残しています。

3階建て切妻造の寿屋の建物を道路側から見た外観写真

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