(国指定)旧石川県第二中学校本館
有形文化財 建造物
名称 | 旧石川県第二中学校本館 (きゅういしかわけんだいにちゅうがっこうほんかん) |
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員数 | 1棟 |
指定日 | (国指定)重要文化財 平成29年11月28日指定 |
所在地 | 金沢市飛梅町(とびうめまち)3番31号 金沢くらしの博物館 |
所有者 | 金沢市 |
構造及び形式 | 木造、建築面積603.4平方メートル、2階建、桟瓦葺一部銅板葺 附・設計図面 3枚 |
建築年代 | 明治32年(1899年) |
特徴
旧石川県第二中学校本館は、明治32年(1899年)に建設された洋風木造建築である。当時の設計図面から、竣工当初の形式を良好に留めていることや、設計者が石川県技師の山口孝吉(やまぐちこうきち)であることが確認されている。
構造は木造2階建で、東西に延びる中央部とその両端に翼部を配する左右対称の平面形をとり、中央部正面には車寄(くるまよせ)を設ける。内部は基本的に北側に廊下を通して南側に教室等を配するが、翼部では廊下の両側に室を配する。
外観は、窓まわりを下見板張(したみいたばり)、その下部を竪板張(たていたばり)とし、上げ下げ窓を並べ、屋根には随所に切妻屋根の小窓を設けるなど、全体的に洋風意匠としている。正面中央の屋根には、前面に三角形を強調した意匠がとられ、両翼部の内側に尖塔(せんとう)を設け、その意匠が校舎の愛称であった「三尖塔(さんせんとう)」の由来とされている。
本例は、明治中期に改正された中学校令に基づき設置された中学校校舎の初期の遺例であり、当時の設計指針を踏まえつつも、尖塔や切妻屋根の小窓、車寄に施される透彫等に独自の装飾性が見られ、近代の学校建築の発展過程を知る上で高い価値を有している。

全景(正面外観)

1階右翼棟南教室(講座室)