本泉寺山門

有形文化財 建造物
本泉寺山門(ほんせんじさんもん)

本泉寺山門の詳細
所在地 金沢市二俣町子8 本泉寺
市指定文化財 平成17年12月1日指定

本泉寺は金沢市東部、医王山山麓の二俣町に位置する真宗大谷派の寺院で、松扉山青光院と号します。嘉吉2年(1442年)本願寺6世巧如の第3子で越中井波瑞泉寺2世である如乗が二俣の地に開創し、瑞泉寺、本泉寺を兼任しました。如乗は本願寺8世蓮如の叔父にあたります。蓮如は文明年間(1469~87年)に再び本寺に滞在し、本堂背後の九山八海の庭(県指定名勝)を作庭したと伝えられています。
 山門の建立年代は本寺の過去帳により文政6年(1823年)です。山門正面右手の石碑には、智善(過去帳により文政8年没)の寄進によることが記されており、石碑の年号は文政7年(1824年)です。
 山門は一間一戸の二重門で、両脇に筋塀が取り付き、左右共に脇戸が設けられています。様式は禅宗様でまとめられ、下層は礎盤上に粽付方柱(ちまきつきほうちゅう)を立て、柱上に虹梁形頭貫(こうりょうがたかしらぬき)を通して先端を木鼻と獅子鼻とし、台輪を回し、組物は出組(でぐみ)としています。隅行きの組物の鬼斗(おにと)上に龍頭彫刻を備え、隅木を支え、軒は二軒繁垂木(ふたのきしげだるき)です。上層は粽付き円柱を立て、柱上に頭貫を通して先端を木鼻とし、台輪を回し、組物は二手先出組尾垂木拳鼻付き(ふたてさきでぐみおだるきこぶしばなつき)です。
この山門の特徴の一つは、正面扉周りの豊富な装飾にあります。門扉には花狭間菱格子(はなざまひしごうし)を設け、その中央に円形状の透彫彫刻を施してあります。左右の羽目板にも滝を題材とした彫刻を備えるなど装飾性に富んだ構成となっています。
当時の井波大工の技量をよく示し、保存状態も良好で、当初の形式をよく伝えています。江戸後期の建築様式の指標ともなり得る稀少な遺構です。

石段途中の両脇に石灯篭が設置されており、上った先の両脇に脇戸がある本泉寺山門の写真

この記事に関するお問い合わせ先

文化財保護課
郵便番号:920-8577
住所:金沢市広坂1丁目1番1号
電話番号:076-220-2469
ファックス番号:076-224-5046
お問い合わせフォーム