奥村家(宗家)上屋敷跡土塀

有形文化財 建造物
奥村家(宗家)上屋敷跡土塀
(おくむらけ(そうけ)かみやしきあとどべい)

奥村家(宗家)上屋敷跡土塀の詳細
所在地 金沢市下石引町1番1号
市指定文化財 令和2年1月31日指定

 奥村家(宗家)上屋敷跡土塀は、独立行政法人国立病院機構金沢医療センター敷地に沿って建っています。この地は、江戸時代においては、加賀八家・奥村家(宗家)の屋敷地でした。近代に入ると、軍の所轄地となり、明治32年(1899年)には金沢衛戌(えいじゅ)病院が新築され、昭和12年(1937年)には金沢陸軍病院と名前を変えて、終戦後に国立金沢病院となり、現在に至っています。
 宝暦大火(宝暦9年・1759年)の後に、奥村家(宗家)上屋敷が再建されることになりますが、辰巳用水沿いの土塀は、その際に築造されたものが、各時代に手を加えながらも維持され、現在まで残っているものです。尻垂坂沿いの土塀は、大正8年(1919年)の市街電車軌道敷設工事に伴い、改めて造られたものと考えられます。どちらの石積も、戸室石が精緻に積まれた亀甲積とし、その長さは、総延長267メートルにも及びます。
 加賀八家上屋敷跡で現存する唯一の土塀であり、市内随一の規模を有し、その威容が加賀八家屋敷地の往時の風格を今日に伝える存在です。また、近代以降の土地利用の変遷や金沢の近代都市構造の変遷の中で、その形式が保存されてきたものであり、近世のみならず、近代金沢の都市の変容の一端を物語る存在としても貴重であり、金沢市指定文化財としての価値を十分に有しています。

辰巳用水に沿ってある奥村家(宗家)上屋敷跡土塀の写真

辰巳用水沿いの土塀

防護柵のある尻垂坂沿いの歩道に沿ってある奥村家(宗家)上屋敷跡の土塀の写真

尻垂坂沿いの土塀

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