立像寺本堂・鐘楼
有形文化財 建造物
立像寺本堂・鐘楼(りゅうぞうじほんどう・しゅろう)
所在地 | 金沢市寺町4丁目1番2号 立像寺 |
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市指定文化財 | 平成17年4月11日指定 |
立像寺は日蓮宗寺院で、開山は日治です。富山・高岡・小松・越前南条郡府中(福井県武生市)と移り、前田利家・利長に従い金沢に定着しました。天正11年(1583年)に河原町(現片町)に寺地を拝領しましたが、元和元年(1615年)に所替えとなり、現在地に移りました。
本堂は日蓮宗寺院本堂としての平面形態や空間構成とよく残しています。建立年代については、寛永15年(1638年)の棟札があり、向拝の細部様式式などから、この時の建立とみられます。また享和元年(1801年)の棟札により、側廻りの改造があったことも確認できます。屋根は寄棟造で、修理はされていますが小屋組を残す数少ない例として貴重であり、元は柿葺であったと考えられています。軒は一軒疎垂木・小舞裏です。
鐘楼は江戸時代には珍しい2階建ての入母屋造です。桟瓦葺で、軒先には柿葺の軒積みを残しています。棟札などは確認されていませんが、様式的にみて鐘銘にある元禄元年(1688年) 頃建立されたと考えてられています。冶工は金沢住藤原朝臣平井但馬守家来と刻まれており、細部様式はこの時期のものです。
本堂・鐘楼ともに金沢の江戸期の寺社建築を代表する重要な存在です。
