全性寺山門

有形文化財 建造物
全性寺山門(ぜんしょうじさんもん)

全性寺山門の詳細
所在地 金沢市東山2丁目18番10号 全性寺
市指定文化財 平成16年1月21日指定

全性寺は日蓮宗寺院で、大永2年(1522年)、越前脇本の妙泰寺住持であった日仁上人が、檀越を得て越中射水郡放生津に移り、その後前田利長に従い守山・冨山・高岡に寺庵を移しましたが居屋敷を召し上げられ、天明6年(1786年)に円光寺とともに卯辰に移りました。円光寺は拝領地となりましたが、当寺は回国中で留守であったため、地子地のままとなったことが「加越能寺社由来」から知られます。
表門は入母屋造の楼門の形式をとりますが規模は小さく、柱も1、2階ともすべて几帳面取角柱です。外壁等に弁柄を塗布してあるところから赤門の俗称があります。妻飾は扠首組で、鰭付の拝懸魚を飾っています。軒は一軒半繁垂木小舞裏としています。蹴放しは桁行柱筋中央間にはありませんが、扉の軸摺穴は奥から延びて穴に沿い弧を描く延石が部分的に残っています。これは蹴放し(石製)が取り払われて残ったものと考えられます。
建立年代は不詳ですが、その細部様式から18世紀後半であることが推定されます。また、建築史的には小規模な楼門の在り方を示し、几帳面取角柱を組物は最も簡素な三斗組・実肘木としていますが、壁の外側に半分入れるのみで柱半分を残す手法となっています。様式は頭貫に木鼻があるのみです。
卯辰山山麓寺院群の中で数少ない貴重な楼門です。

入口が石段で、石の柵がある入母屋造の楼門形式の全性寺山門の写真

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