絹本著色阿弥陀三尊来迎図
有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色阿弥陀三尊来迎図(けんぽんちゃくしょくあみださんぞんらいごうず)
所在地 | 金沢市出羽町2-1 石川県立美術館 |
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市指定文化財 | 昭和52年11月11日指定 |

阿弥陀三尊来迎図は、阿弥陀仏が諸菩薩を従え、臨終に際した衆生を極楽浄土に迎えるために人間世界に下降するようすを描いたもので、平安中期以降、浄土信仰に基づいて盛んに描かれました。
この一幅は、阿弥陀如来が観音・勢至の二尊を卒いて、信者の迎接に向かう姿が描かれています。制作者は不詳ですが、南北朝時代(1366~1392年)に制作されたと考えられています。 保存状態は良く、貴重な遺品です。
戴金(きりかね)と金泥を用いた弥陀三尊は、全身金色に輝き、衣文には極めて細密な亀甲繋ぎと麻型繋ぎの紋様が施されています。また、顔面と手足は朱線で描き、観音は金色の蓮台をささげ、勢至は合掌しています。三尊共に緑色の踏割(ふみわり)蓮台に乗り、銀泥で隅取りした飛雲の上にその姿を影現しています。三尊の顔容は繊細優美な線描で表現されており、夢を見るようなまなざし、しなやかな姿体は礼拝する人の魂を引きつけます。