唐物肩衝茶入 蒲生肩衝
有形文化財 美術工芸品:工芸品
唐物肩衝茶入 蒲生肩衝(からものかたつきちゃいれ がもうかたつき)
所在地 | 金沢市本多町3丁目2番29号 金沢市立中村記念美術館 |
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市指定文化財 | 平成21年12月11日 |
元和元年(1615年)、加賀藩の重臣本多家初代政重(まさしげ)が、大阪の陣の功により三代藩主前田利常(としつね)から拝領し、戦後まで代々、同家に伝来した茶入です。桃山時代の武将で利休七哲の一人、蒲生氏郷(がもううじさと)が所持していたと伝えられるためこの呼び方があります。
中国の南宋~元代(13~14世紀)につくられたもので、唐物茶入らしい堂々とした姿、強い光沢の黒釉、ごく薄い成形、底の板起こしなどに特徴があります。薄い成形と底の板起こしは、唐物茶入の中でも年代が古いとされ格式が高い漢作茶入の特徴といえます。
金沢に400年の長きにわたり伝来し、金沢の茶道の歴史を伝える、由緒ある茶入の名作であり、美術品としても歴史資料としても価値が高いものといえます。
【用語解説】 抹茶を入れるための容器を茶入といい、そのうち中国で作られ、古くに伝来したものを唐物茶入といいます。