三千寺跡(三小牛ハバ遺跡)出土品

有形文化財 美術工芸品:考古資料
三千寺跡(三小牛ハバ遺跡)出土品(さんぜんじあと(みつこうじはばいせき)しゅつどひん)

三千寺跡(三小牛ハバ遺跡)出土品の詳細
出土 三小牛ハバ遺跡
所在地 金沢市上安原南60番地 金沢市埋蔵文化財センター、金沢市(個人蔵)
市指定文化財 令和3年3月31日指定
員数 285点

遺跡は、金沢市南東部の山中に営まれた寺跡です。「三千寺」墨書土器などの仏教に関係した遺物の出土によって、8世紀中頃~10世紀の山寺(やまでら)「三千寺跡」であることがわかりました。
銅板鋳出仏(どうばんちゅうしゅつぶつ)は、発掘調査ではなく、過去の開墾中に出土したものですが、遣唐使などにより渡来した仏像の図像が、地方に伝播したことを示す希少な事例といえます。僧の念持仏などと考えられます。
墨書土器「三千寺」や「沙弥 古麻呂(しゃみ ふるまろ)」は、寺や修行僧の名前を示しており、写経用の定木(じょうぼく)〔罫線を引くものさし、1号木簡〕や転用硯(てんようけん)〔器を硯に転用したもの〕の大量出土は、修行僧が写経等に励んでいたことを示しています。また「人」の則天(そくてん)文字〔中国の女帝則天武后(そくてんぶこう)の時にできた文字〕を記した墨書土器は、高度な教養を持った僧の存在を裏付けています。
1号木簡は、『日本霊異記(にほんりょういき)』に登場する「御馬河(みまかわ)の里」、2号木簡は、豪族の道君(みちのきみ)との関係が想起され、3号木簡は、三千寺が山寺として認識されていたことを示しています。
その他、仏器としては、奈良三彩(ならさんさい)の小壺など希少品が目立つなど、三千寺跡出土品は、奈良・平安時代の山寺の実態を明らかにする上で欠かせない遺物群として貴重です。

銅板に仏像が浮き出ている銅板鋳出仏の写真

銅板鋳出仏

文字や符号を土器の表面に墨で書き記した墨書土器の写真

三千寺跡 墨書土器

墨文字が書かれた短冊状の細長い木の板(木簡)の写真

木簡

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