宝乗寺梵鐘
有形文化財 美術工芸品:工芸品
宝乗寺梵鐘(ほうじょうじぼんしょう)
所在地 | 金沢市車町ハ甲103 宝乗寺 |
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市指定文化財 | 昭和55年12月1日 |
この梵鐘には、鐘名に「元禄第六葵酉歳4月8日治工宮崎寒雉義一」とあり、宮崎彦九郎義一が寒雉銘を刻した金沢市にただ一つの作品です。義一は加賀藩5代藩主に仕えた鋳物師で、茶道奉行として京都から招かれた千仙叟の指導のもと、鋳造技術を生かして藩御用釜師となり、寒雉菴(かんちあん)の号を受け、数々の名品を残しました。
この鐘は、元禄6年(1693年)寒雉63歳の作で、一説によると現地で鋳造したと伝えられています。当時の梵鐘づくりは出職(現地作り)が多く、「越中史料」の吉野屋旧記に、安養坊山で御城の鐘を殿様の御前において金沢の釜屋彦九郎が鋳造した事が載せられています。
総高123.0センチメートル・口径70.7センチメートルと少し小振りですが、鐘の美しさは格別で、鐘の音色にも通ずるように思われます。
