常福寺北方心泉関係資料
有形文化財 美術工芸品:歴史資料
常福寺北方心泉関係資料(じょうふくじきたがたしんせんかんけいしりょう)
所在地 | 金沢市小将町6-23 常福寺 |
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市指定文化財 | 平成14年12月11日指定 |
常福寺北方心泉関係資料は、室町中期の「福富草紙」写本、戦国時代の資料から始まり、江戸、明治を中心として、昭和の西田幾多郎、暁烏敏など著名な人の筆跡資料にまで及んでいます。
地域的には北陸地方を中心にして全国的な規模に及んでいます。更に清朝末期の江南地方を中心とする中国の資料が大きな比重を占めて存在するほか、文禄・慶長の役、幕末のロシア船来航に関する資料などもあり、全国的、国際的な拡がりと密度を持っています。同時に宗教関係、史的文書、詩・書・画・篆刻・拓本の類、草稿・書簡・紀行文・日記・手帳の類、書籍・文房具の類、地図・写真の類等々、多彩な分野にわたり、当時を代表する学者、文化人の手になるものが数多く存在しており、文人的、美術的な色彩が濃厚です。
多くの収集品は、明治期に活躍した常福寺14世住職の北方心泉(きたがたしんせん)のもの、若しくは心泉に関係したものであり、その裾野の広さは心泉の交友関係、活動領域の広さを物語っています。心泉は書家として篆草合体とも称せる自由奔放な書風の優れた作品を遺しているだけでなく、日本国内のみならず中国の文化人、知識人との幅広い交友関係を通じて収集した当時の歴史、美術、世相を知る上での多くの貴重な資料を金沢にもたらしています。
これらの資料は常福寺が古くから文化の一つの拠点であったことを示すものであり、単に美術的価値には留まらず、時代、地域に根ざした世相、風俗を知ることのできる貴重な資料です。
