絹本著色十王図

有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色十王図(けんぽんちゃくしょくじゅうおうず)

絹本著色十王図の詳細
所在地 金沢市宝町6番13号 瑞雲寺
市指定文化財 平成28年1月21日指定

 十王とは、道教や仏教において、忌日ごとに死者の生前の罪過を審判する十人の王のことです。
 本資料は、十王とその本地仏、および罪状を報告し刑罰を与える冥官二人を描いた仏画です。
 画面上部にある5列2段の円には、十王それぞれの本地仏が忌日の早い順に下段右から上段左へと描かれています。画面中央から下部には十王が同じ順で描かれ、画面の左右列最下段には冥官を配しています。十王はいずれも宝冠を戴き、道服を纏った姿で、顔のそばに順位と王の名が書かれた短冊が付けられています。中央列の王は正面を向き、左右列の王と冥官は画面の内部に顔を向ける左右対称の構図で、画面中央に配置された赤面忿怒の顔貌をした閻魔王が、中尊としての存在感を示しています。
 作者は不明ですが、絵絹や描画技法から15世紀代の作品と考えられます。衣服の文様や持物などを細密に描き、暗寒色を基調とし金箔や金泥も用いて丁寧に彩色した、優れた仏画です。そのうえ1幅に十王と本地仏すべてを配した図像は県内では例がなく、全国的にみても希少なものです。

暗寒色を基調とし金箔や金泥も用いて丁寧に彩色された絹本著色十王図の写真

絹本著色十王図

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