絹本著色弘法大師画像
有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色弘法大師画像(けんぽんちゃくしょくこうぼうだいしがぞう)
所在地 | 金沢市出羽町2-1 石川県立美術館 |
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市指定文化財 | 昭和53年4月11日指定 |

縦140センチメートル・横108センチメートルの一幅で、製作年代は南北朝時代(1336~1392年)と推定されています。弘法大師が椅子の上にゆったりと座り、右手に五鈷杵(ごこしょ:密教の法器で三又の杵)、左手に数珠をもち、真如親王形式により描かれています。また、おおらかな偉容をよくとらえて表現されており、よどみのない鉄線描法はさわやかな感じを与え、衣服の茶色がこの高僧を表現するにふさわしく、しかも画面が大きいのでなおさら偉大な像主をしのぶことができます。
上部に色紙形4つを区切り、彩色を施した中に大師流と思われる誌偈(しげ:仏徳または教理を賛美する詩)が書かれていますが、一面は剥落しています。
奥書、銘文はなく、制作者も不詳ですが、弘法大師画像としては市内で最も古く、格調の高い優れた貴重な画幅です。