小坂神社石造物群
有形文化財 美術工芸品:歴史資料
小坂神社石造物群(こさかじんじゃせきぞうぶつぐん)
所在地 | 金沢市山の上町42-1 小坂神社境内ほか |
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市指定文化財 | 平成27年4月13日指定 |
石造物群の内訳は、燈籠18基、手水鉢1基、石碑1基、鳥居2基、神鹿2基の計24基です。うち21基に、本殿が再建された翌年(元禄2年、1689年)から明治44年(1911年)までの年号が刻まれています。
燈籠は2基一対(可能性のあるものを含む)が7組14基、単独が4基で、全て四角型です。さらに「御間型」「神前型」「常夜燈型」に細分されますが、最も多いのが「御間型」です。
燈籠の設置箇所は、江戸時代初期には拝殿前に、中期までには参道の枢要な場所に、後期には参道から拝殿の間を埋めるように、末期には旧北国街道沿いにと変遷します。また石材は、初め凝灰岩(笏谷石)が多く、中期には安山岩(戸室石)が使われ始め、後期以降はこれのみとなります。花崗岩(御影石)製が2例あり、これは金沢市内では海運に関わる金石・大野地区の神社に類例があります。
石碑は藩の隠医(隠居した藩医)・藤田義郷が医療の神とされる少彦名命を顕彰した碑です。
明治に入ってから鳥居と神鹿が寄進されています。鹿は春日大社の神使ですので、小坂神社がもとは「山ノ上春日社」と呼ばれていたことに由来するものと思われます。阿吽の一対になっています。
このように江戸時代から明治時代まで継続して多数の石造物が寄進され、現存しており、金沢の神社関連石造物を考える上で、良好かつ貴重な歴史資料です。

拝殿前の燈籠

二の鳥居と燈籠

旧北国街道沿いの燈籠

神鹿 吽形