絹本著色高巌寺歴代和尚頂相

有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色高巌寺歴代和尚頂相(けんぽんちゃくしょく こうがんじ れきだいおしょうちんそう)

絹本著色高巌寺歴代和尚頂相の詳細
所在地 金沢市出羽町2-1 石川県立美術館
市指定文化財 昭和52年3月1日指定

頂相(ちんそう)とは禅宗における高僧の肖像画のことです。禅宗では、法は人によって伝わるとするため、師を重んじてその頂相をも尊重します。画像は写実性が要求され、師がみずからの頂相画に賛をつけて、修行を積んだ証として弟子に与えました。また忌日には、初祖をはじめ関係の深い高僧の画像を法堂にかける掛真(けしん)が行われました。

左:曲ろくに腰かけ右手に警策を持っている、赤茶色の着物に緑色の袈裟を身につけた仁宿和尚頂相の肖像画の写真、右:曲ろくに腰かけ右手に警策を持っている、こげ茶色の着物に黄色の袈裟を身につけた淳厳和尚頂相の肖像画の写真

高厳寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、慶長10年(1605年)に創建されました。開山密厳和尚以下9代までの住職と、初代住職の先師2人の、計11幅の肖像画が伝わっています。各幅ともそれぞれの時代に製作されたもので、いずれも最高の作画技術によって表現されています。特に、初代住職開山密厳和尚の先師である仁宿和尚と淳厳和尚の肖像画は、慶長年間の作画で、曲ろくに倚って警策を持った禅宗特有の構図で描かれており、袈裟の彩色などに桃山時代の華麗な面影が見られます。また、この頂相の中には郷土作家の傑作も含まれます。
金沢の寺院において、これだけの見事な美術的価値の高い頂相の遺品がまとまって残されているのは貴重といえます。

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