絹本著色本願寺三上人像附桐箱

有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色本願寺三上人像(けんぽんちゃくしょくほんがんじさんしょうにんぞう)附(つけたり)桐箱(きりばこ)

絹本著色本願寺三上人像附桐箱
所在地 金沢市笠市町2番47号 宗教法人本願寺金沢別院
市指定文化財 平成26年10月14日指定

本資料は、本願寺6代巧如上人(ぎょうにょ、1376年~1440年)、7代存如上人(ぞんにょ、1396年~1457年)、8代蓮如上人(れんにょ、1415年~1499年)を描いた3幅の画像です。それぞれの絵師は不明ですが、巧如上人像、存如上人像は裏書に没年月日が書かれ、文字形や花押から、没後あまり時をおかずに描かれたことがわかります。同時期の画像の類例は、西本願寺蔵の1幅ずつしか見つかっていません。三上人像の裏書には、本山から門末に下される場合に書かれるべき記述がないため、本願寺内部の法要に用いるために製作されたものである可能性が高く、そのうち加賀と縁の深い三上人像が、金沢御堂に移されたと考えられます。いずれも保存状態が良く、室町期の数少ない本願寺派の肖像画であり、かつ加賀一向一揆の歴史を伝える貴重な資料です。また三上人像が保管されていた桐箱には、宝暦10年(1760年)に修理を行ったとの箱書きがあり、本資料の伝来を伝えるものですので、附(つけたり)としています。
金沢御堂は天文15年(1546年)に現在の金沢城本丸付近に建立され、天正8年(1580年)に佐久間盛政に制圧されました。3年後に前田利家によって安江郷に再興され、その後炎上したために現在の笠市町に本願寺金沢別院として再建されたと伝わっています。三上人像は初め金沢御堂が護持し、その後関係する有力寺院を経て、本願寺金沢別院の所蔵となったと考えられます。

黒い着物を着て灰色の袈裟を身につけて座っている6代巧如上人を描いた掛け軸の写真

本願寺6代巧如上人

上部に筆で書かれた文章、その下に茶色の着物を着て座っている7代存如上人を描いた掛け軸の写真

本願寺7代存如上人

上部に筆で書かれた文章、その下に黒い着物を着て座っている8代蓮如上人を描いた掛け軸の写真

本願寺8代蓮如上人

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