絹本著色前田利家・同夫人画像
有形文化財 美術工芸品:絵画
絹本著色前田利家・同夫人画像 (けんぽんちゃくしょくまえだとしいえ・どうふじんがぞう)
所在地 | 金沢市野田町チ386 桃雲寺 |
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市指定文化財 | 昭和35年11月3日指定 |
現在は利家夫妻像として双幅仕立てとなっていますが、もともとは別々に製作されたものです。利家像は衣冠束帯、上畳に坐する神像形式の肖像で、能衣は墨1色で模様が無く垂幕や上畳の縁の一部に彩色がわずかに施されているのみで、県内に所在する他の利家像に比べると簡素化された肖像ではありますが、像の後背や垂幕の一部に金泥を掃いていた痕跡が認められ、以前は荘厳な趣のある肖像画であったと思わます。夫人像は、大徳寺161世春嶽宗勝の慶長14年(1609年)の賛が記されています。夫人は、元和3年(1617年)7月に71歳で没していることから、芳春院の晩年の姿を描いた寿像であることがわかります。最初にこの夫人像があり、夫人の没後この像に合わせて利家像が江戸時代前期頃に製作されたと考えられています。