南無とせ節
民俗文化財 無形民俗:民俗芸能
南無とせ節(なむとせぶし)
所在地 | 金沢市戸水町 |
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市指定文化財 | 平成19年12月3日指定 |
南無とせ節は、蓮如上人が当地へ巡錫したことがきっかけで始まったと伝えられています。同町富積寺所蔵の名号縁起(年代不明)に、「村人蓮如上人ノ御恩徳ヲ偲ンデ喜ビノタマワリ毎年盆ノ十五・六日ニハ南无トセヨイヤマカセト、オドリツガレ、上人ノオワタリニナラレタ川ヲ聖水の川トヨビ、橋ヲ阿弥陀仏ノ橋ト呼ブヨウニナツタトイヒツタエラレテイル」と見えます。
南無とせ節は、「盆」の習俗(オショウライの送り迎え・きりこをさげる)や踊るときに馬盥を据える風習、蓮如にまつわる伝承などにより、広く民俗学者の注目を集めてきました。ただし、住民たちのあいだで、民俗・信仰的な価値が新たに意識されるようになったのは、保存会が発足したころからです。現在、金沢市内の各所で盆踊り大会が催されていますが、生の伴奏と唄にこだわり続けている町は数少なくなっています。戸水町では、保存会のメンバーが櫓の上にあがり、三味線・胡弓を伴奏に音頭とりたちによる唄を披露しています。盆踊りを町の貴重な文化遺産と考え、形骸化させてはいけないという強い意気込みと努力の跡が感じられます。(注意)地元での呼称は「なんとせぶし」