奴行列

民俗文化財 無形民俗:民俗芸能
奴行列(やっこぎょうれつ)

奴行列の詳細
所在地 金沢市東蚊爪町チ55番地2 金沢奴行列保存会
市指定文化財 平成25年1月11日指定
開催時期 令和元年度スケジュール(PDFファイル:230.6KB)

奴行列は、少なくとも明治20年には大野で行われていたことが確認されています。現在は、粟崎・大浦・大野・金石・北間・五郎島・近岡・戸水・東蚊爪の大野川流域9地域で保存・継承されています。
大野町の奴は、日吉神社の夏祭り(7月の最終土日)最終日に、神輿の行列に奴、悪魔払い、獅子舞などが供奉(くぶ:行列に加わる)します。構成は大将1人を先頭に、金幣1本(2人)、銀幣1本(2人)、熊毛1本(2人)、毛槍1本(4人)、三叉鉾1本(2人)、立傘1本(2人)、台笠1本(2人)、薙刀1本(1人)の縦2列の隊形で計18人で編成されています。大将は20歳の青年が務めています。その合図で奴は道具を持ち替え、交代で声を出します。奴は半纏に白い半ズボン、懸帯(前掛け)をし、化粧はしません。
粟崎や北間では、音頭取りは顔を白く、奴たちは赤く化粧します。
大浦では白く、戸水では親方だけが化粧をし、東蚊爪は青を含む4色で隈取り風の威厳ある化粧をします。道具は戸水でも金幣、銀幣を持ちますが、それ以外では金幣・銀幣ではなく、挟箱を持ちます。
五郎島と金石御船町には、子ども奴が継承されています。
以上のように、奴行列は基本的には神輿行列に供奉し、神主や神輿の先導役を担う民俗芸能でありますが、江戸時代の加賀藩の参勤交代の様子を彷彿させ、顔を着色し、先頭に音頭取りが立ち道化的な役割をすること、県外ではあまりない薙刀の存在など、金沢の奴は独自の発展を遂げています。

黒の長い半纏を着た大将を先頭に、半纏に白い半ズボン、懸帯(前掛け)姿の青年たちがが金幣や銀幣などの道具を持ち、住宅街で奴行列が行われている写真
神社の境内で黒い半纏に白い半ズボン、懸帯(前掛け)をした子供たちが挟箱を持って奴行列を行っている写真

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