東原のみずばしょう自生地
記念物 天然記念物
東原のみずばしょう自生地 (ひがしはらのみずばしょうじせいち)
所在地 | 金沢市東原町コ75-1 |
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市指定天然記念物 | 昭和58年4月1日指定 |
みずばしょうは、約2万年から1万年前に終わったという日本の最後の氷河時代(ヴルム氷河期)における低湿地植生の代表的なものです。現在の気候になってからは次第に北方または山地に後退し、現在では日本海側の分布の南限を福井県(取立山)としています。
この東原の自生地は標高約102メートルの低山山麓にあり、また白山山域各地ないし奥能登の稀な野生地からかなり隔離し、かつ孤立した群落として生き残った貴重な存在です。白い仏炎苞(奏法)に包まれた黄色の歌穂(肉穂花序)は、ここでは雪解けまもなくの4月上・中旬に開花し、周辺のヤブツバキ、キンキマメザクラ、ハンノキ等の花と彩りを飾ります。一帯は低山帯2次林で暖帯性、温帯の植物に占められ、北方性のみずばしょうが生き残っている現況は景観としても極めて珍しいものです。

