国見町八幡神社社叢
記念物 天然記念物
国見町八幡神社社叢 (くにみちょうはちまんじんじゃしゃそう)
所在地 | 金沢市国見町ロ127番地 |
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市指定天然記念物 | 令和2年9月25日指定 |
国見町は、犀川支流である平沢川上流域の国見山(標高556.3メートル)北麓に位置しています。集落の西端に鎮座する八幡神社は養老2年(718年)の勧請と伝わり、応神天皇を祀っています。
社叢(神社林)は、高木層ではイタヤカエデ、亜高木層ではスギ、低木層・草本層ではシロダモ、ヒメアオキ等が優占しています。一方で、この地域の潜在自然植生はウラジロガシが高木層と推定されることから、本社叢は、集落の人々が意図的にイタヤカエデを保全・管理してきたために成立したものと考えられます。
本社叢でみられるイタヤカエデは変種のアカイタヤで、新芽や葉柄が紅色を帯びることからこの名があり、別名ベニイタヤとも呼ばれます。
この種が境内を取り囲むように9本生育しており、このうち幹周3.0メートルを超える巨樹が4本みられます。なかでも社殿右側後方の境内の縁に位置するイタヤカエデは幹周4.4メートルを測り、これは県下最大級のものです。
このようなイタヤカエデを優占種とする社叢は全国的にも希少であり、複数の巨樹が群生している群落は極めて貴重なものです。また、国見集落の人々による管理が古くから継続されてきたことで成立した社叢であり、集落と自然のかかわりが生み出した人文的な価値を併せ持つ記念物としての側面も評価されます。