(国指定)末浄水場園地

記念物:名勝
末浄水場園地(すえじょうすいじょうえんち)

末浄水場園地の詳細
所在地 金沢市末町1-1
国指定名勝 平成22年2月22日指定
指定面積 80,103.18平米

 末浄水場は、金沢市で最初に建設された浄水場施設で、犀川(さいがわ)中流部に位置しています。市中心部からは南東に約8キロメートル離れており、犀川上流部から引いた江戸時代からの寺津(てらづ)用水を水源として昭和5年(1930年)から建設されました。
 敷地は、沈澱池(ちんでんち)を配置したエリアとろ過池を配置したエリアに大別されます。正門を入った正面には平面幾何学式の前庭があり、それを挟んで左手に管理本館、右手に緩速(かんそく)系の着水井(ちゃくすいせい)が建っています。浄水場の施設は、水を導き入れるラインである「導水軸」と、水をきれいにする過程で送り出すラインである「送水軸」に沿って配置されています。また、両軸が直交する交点の位置に前庭の東屋が設置され、全体の軸線の中心となっていることが大きな特徴となっています。また、前庭の意匠は、導水軸を中心に左右対称となり、浄水場全体の計画と前庭の造園意匠に深い関係があったことが明らかとなっています。
 前庭には、噴水池(ふんすいいけ)と石積み及び鉄筋コンクリート造の東屋(あずまや)が当時からの位置に現存しています。現在、噴水は自然流下の水圧を調整して池内に止まっていますが、竣工時の写真によれば、噴水の水が東屋の屋根に向かって飛沫しており、園地全体の景観を特徴付けていたことがわかります。
 このように、末浄水場園地は、近代的な造園意匠を取り入れ芸術上、観賞上の価値が高く、かつ現役の水道施設として稼動する貴重な近代化遺産としての価値もあります。

前庭に噴水池とコンクリート造の東屋があり、奥に緩速ろ過池がある末浄水場園地全体を上空から写した写真

末浄水場園地 前庭

前庭にある丸い八の字型の噴水とその奥の緑に囲まれた建物が見えている写真

前庭の浄水池と東屋

小さなドーム型の緑色の屋根に白い壁の四角の建物が、道路両脇にきれいに立ち並びその奥には桜が見える緩速浄水井上屋の写真

送水軸に沿って建ち並ぶ緩速浄水井上屋

手前の水が溜まったろ過池の先に、小さなドーム型の緑色の屋根に白い壁の建物がきれいに並び、桜並木も見える末浄水場の全体の写真

緩速ろ過池

見学

末浄水場の見学には、事前予約が必要です。詳細は、下記を参照ください。

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