天狗さんの寺 6
「ちょっと待って下さらんか。悪いトンビとはいえ、むやみに殺すのはようない。」
「いや、和尚さん。こいつを生かしといたらためにならん。また魚を盗むがに決まっとる。」
トンビは悲しそうな目で上人を見上げました。
「すべての生き物の命はただ一つ。そまつにしてはならん。これをわしに譲ってもらえんか。遠くへ連れて行くから。」
「うん、和尚さんが言うならしゃあないな。和尚さんにまかせまいか。」
人垣が崩れ、市場はいつもの様子に戻りました。
「ちょっと待って下さらんか。悪いトンビとはいえ、むやみに殺すのはようない。」
「いや、和尚さん。こいつを生かしといたらためにならん。また魚を盗むがに決まっとる。」
トンビは悲しそうな目で上人を見上げました。
「すべての生き物の命はただ一つ。そまつにしてはならん。これをわしに譲ってもらえんか。遠くへ連れて行くから。」
「うん、和尚さんが言うならしゃあないな。和尚さんにまかせまいか。」
人垣が崩れ、市場はいつもの様子に戻りました。