金沢市冬期バリアフリー計画 2-3(1)

2-3 地区における冬期歩行者環境の現況と課題

1. 重点整備地区の整備現況

重点整備地区における整備路線延長は、27,866メートルである。

  国道 県道 市道 総計
表 歩行空間の整備現況
歩道(機械)除雪区間 - 8,740メートル 1,800メートル 10,540メートル
歩道無散水消雪施設区間 2,503メートル 5,599メートル 1,350メートル 9,452メートル
歩道散水消雪施設区間 110メートル 3,200メートル 3,080メートル 6,390メートル
アーケード区間 1,284メートル - 200メートル 1,484メートル
合計 3,897メートル 17,539メートル 6,430メートル 27,866メートル

整備内容の解説

歩道
用語 解説
無散水消雪 歩道路面に散水せず、舗装面の下に埋設した循環パイプや発熱体により路面を温めて雪を融かす消雪施設。(例:ロードヒーティング等)
散水消雪 道路に埋設した送水管とノズルを通して、歩道路面に水を巻く消雪施設。(例:消雪パイプ等)
アーケード 商店街や道路などの歩行空間の上部に、雪や雨を防ぐ屋根をつけた施設。
地下道 地下に設けた通路。
除雪(機械) 歩道に積もった雪を搭乗式の小形除雪車やハンドガイド式の小形除雪機で行う除雪。
除雪(人力) 歩道に積もった雪を地域住民が人力で行う除雪。
車道
用語 解説
散水消雪 道路に埋設した送水管とノズルを通して、車道路面に水を巻く消雪施設。(例:消雪パイプ等)
除雪(機械) 車道の路面上に積もった雪が交通障害になる前に、除雪車等により、路側又は路外に除雪を行うこと。

(注意)歩行空間が縁石等によって明確に分離されていない
道路をここでは、『車道』という。

冬期歩行空間の整備現況図

図 冬期歩行空間の整備現況

2. 箇所別の現況と課題

1. 整備済歩道の現況と課題

消雪施設が整備された歩道単路部では、非常に歩きやすい空間となっている。しかし、横断歩道接続部、歩道巻き込み部において、縁石と車道側側溝天板付近に、シャーベット状の堆雪やとけ残り、消雪水による水溜り等があり、歩行者ネットワークが途切れてしまう箇所が存在する。また、アーケードでも途切れた箇所では、ネットワークの連続性が確保されていない。
歩道のネットワークとしての連続性をより確保することが課題である。

1.歩道単路部は無雪化により快適な歩行が可能

特に無散水式消雪は、足元も濡れないので、歩きやすさが向上する。

歩道の左右に雪が山積みになっていて、その間を傘をさした女性が歩いている後ろ姿の写真

無散水歩道(石引・国道157号南町)

点字ブロックがある歩道の左右に雪が山積みになっている写真

無散水歩道(石引・国道157号南町)

歩道の左側に、雪が山積みになっていて、傘をさした通行人が歩いている写真

散水消雪歩道(広坂)

2.横断歩道部では消雪水やとけ残りで歩行が困難
  • 横断歩道の接続部では、シャーベット状の雪や融雪水がたまりやすく、非常に不愉快な思いをしながら歩行することになる。
  • また、車道巻き込み部や横断歩道の車道中央部での堆雪等も問題である。
  • こうした箇所で、歩行ネットワークの連続性が確保されていない。
傘をさした通行人が歩く横断歩道の左右端に、雪が山積みになっていて、手前の山積みの雪の間に薄く雪と水が混じったもので覆われている写真

車道の消雪水がたまった横断歩道(石引)

歩道の左右に雪が山積みになっていて、横断歩道の始まりに雪が堆雪している写真

横断歩道内の堆雪(駅西)

横断歩道を雪が堆雪しており、横断歩道の線が所々隠れている写真

横断歩道内の堆雪(駅西)

3.全天候型は雪だけでなく雨天も利便性が高いが…
  • アーケードや上屋等、全天候型の整備を行った箇所では、雨天時でも傘をささずにすむため、金沢市のように雨が多く年によって降雪量の差がある都市では、非常に有効である。
  • しかしながら、アーケード設置箇所においても歩道の半分しか覆われていない箇所もあり、その部分の除雪が課題として残っている。
  • 設置にあたっては、初期投資やメンテナンス費用も含めて、再開発事業や商店街整備との連携・調整が必要である。
建物の左側に長いアーケードがあり、通行人が歩いている写真

連続上屋による全天候型歩行空間(リファーレ前)

地下に下りる階段の右側の歩道の半分以上に雪が積もっている写真

アーケードのない歩道の半分に雪が積もっている(香林坊109前)

2. 未整備歩道の現況と課題

未整備の歩道では、歩道幅員の減少、積雪路面の凸凹、滑りやすい舗装、階段状の未除雪区間、車道の融雪水の水はねなどが混在し、高齢者や障害者だけでなく、健常者にとっても歩行が困難となっている。冬期では、こうしたさまざまなバリアが混在するため、身体的だけでなく、精神的にも負担が大きく、外出頻度の低下につながっている。

1.歩道幅員が減少する

歩道の左右に高く積もった雪があり、その狭い間を傘をさした通行人が一列になって歩いている写真

雪による歩道幅員の減少(武蔵ヶ辻)

堆雪により、歩道幅員が減少し、歩行者のすれ違いが非常に困難になる。

歩道が凍結していて、真っ白になっている歩道の写真

(国道157号犀川大橋付近)

  • 融解と凍結を繰り返すため、表面が固く滑りやすなる。特に縦断、横断勾配の大きい箇所では滑りやすい。
  • また、自動車の通行による路面の凸凹に足をとられ、歩行困難になる。

車道の圧雪と縦断勾配で転倒しやすい路面

傘をさした通行人が、歩道に積もった雪の上を慎重に歩いている写真

除雪されず階段状になった歩道(石引)

駐車場前面の歩道は除雪されていないことが多く、除雪箇所と非除雪箇所が混在するため歩行が困難になる。

歩道の点字ブロックが、雪で覆われ真っ白になっている写真

雪で認知できない誘導ブロック

せっかくの誘導ブロックも積雪で認知できない。

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